この記事は2015年06月02日に「こまき無答塾」に書かれた記事「小牧市議会議会基本条例(案)に対する意見を募集しています」を Internet Archive から復元→アーカイブ化したものです(アーカイブ方針



昨日、市のホームページに、「平成27年6月1日から小牧市議会議会基本条例(案)に係わるパブリックコメント実施中です」との新規情報が掲載されました。

 ホームページに掲載された小牧市議会議会基本条例(案)は次の通りで、9章18条で構成されています。
前文
第1 章 総則( 第1 条・第2 条)
第2 章 議会及び議員の活動原則( 第3 条- 第5 条)
第3 章 市民と議会との関係( 第6 条- 第8 条)
第4 章 市長等と議会との関係( 第9 条- 第1 2 条)
第5 章 議員の政治倫理( 第1 3 条)
第6 章 会派及び政務活動費( 第1 4 条・第1 5 条)
第7 章 議会事務局( 第1 6 条)
第8 章 災害への対応( 月第1 7 条)
第9 章 見直し手続( 第1 8 条)

 小牧市議会は、市長その他の執行機関とけん制及び調和の関係を保ち、市民の負託に応えるために、行政運営状況の監視、政策の提言を行うという本来の議会の役割に加え、地方分権時代にふさわしいあるべき議会を目指し、これまで議会の活性化や議会改革に積極的に取り組んできました。
 小牧市議会は、二元代表制のもとでの議会及び議員のあり方を明確に示すとともに、更に議会改革を進め、より透明性の高い市民にわかりやすい議会運営に努めながら、小牧市民憲章に掲げる理想のまちを目指し、市民福祉の向上と更なる市政の発展に寄与することを決意し、ここに、この条例を制定します。
(以上)

 小牧市議会では、27年9月議会での議会基本条例の制定を目指して、議会改革委員会(成田隆三委員長)が中心となって検討していますが、制定までのスケジュールは次の通りです。

2月20日
議会基本条例(素案)についての市民と議会の意見交換会

4月19日・5月9日
市内4会場で行われた議会報告会と市民の意見を聴く会において、「議会基本条例と議会に望むこと」というブースを設け、議会基本条例(素案)に対する市民の意見をさらに聴きました。

6月1日~30日
議会基本条例(案)に係わるパブリックコメントを実施

8月中下旬
条例案提案(議会運営委員会)

9月議会
条例議案提出

 私は、2月20日議会基本条例(素案)についての市民と議会の意見交換会にも、4月19日議会報告会と市民の意見を聴く会にも参加し、意見を述べてきました。
 その結果、6月1日にパブリックコメントために提示された議会基本条例(案)は、2月20日市民と議会の意見交換会で示された素案と比べ、一部文言が変更された程度で基本的な部分の変更はありませんでした。

 この4年間、小牧市議会において議員定数や議員報酬に関して根拠のない空しい議論が繰り返されるのを目の当たりにしてきましたので、2度とこのようなことを繰り返さないために、「議員定数や議員報酬を改正する場合のあり方(手続)に関する条文を追加すべきだ!」との提言をしてまいりましたが、議会基本条例(案)には反映されませんでした。
※根拠のない空しい議論が繰り返されたのは、二元代表制における議会の役割を認識しない山下史守朗候補が平成23年2月の市長選挙で「議員定数3分の2への大幅削減要請」というマニフェストを掲げ当選したためであります。

 そこで、参考条文として、早大マニフェスト研究会が実施した議会改革度ランキングで高く評価されている隣接の犬山市議会議会基本条例の該当条文、さらに2006年に全国で始めて議会基本条例を制定した栗山町議会基本条例の該当条文を提示したのでありますが・・・。

犬山市議会議会基本条例
( 議員定数)
第1 6 条議員定数は、第2 条に定める議会の役割及び活動原則に沿った議会としての権能を果たすのにふさわしいものとすることを基本とし、別に条例で定めます。
2 議会は、議員定数の改正にあたっては、市政の現状、課題、将来予測等を十分に考慮し、市民の意見を反映して決定します。この場合において、参考人制度、公聴会制度等を活用することができます。
( 議員報酬)
第1 7 条議員報酬は、地方自治法の趣旨を踏まえ、議員活動に専念できる制度的な保障及び公選としての職務、責任等を考慮し、別に条例で定めます。
2 議会は、議員報酬の改正にあたっては、犬山市特別職報酬等審議会の意見のほか、市政の現状、課題、将来予測等を十分に考慮し、市民の意見を反映して決定します。


栗山町議会基本条例
(議員定数)
第21条 議員定数は、別に条例で定める。
2 議員定数の改正に当たっては、行財政改革の視点だけでなく、町政の現状と課題、将来の予測と展望を十分に考慮するとともに、議員活動の評価等に関して町民の意見を聴取するため、参考人制度及び公聴会制度を十分に活用するものとする。
3 議員定数の条例改正案は、法律第74条第1項の規定による町民の直接請求があった場合を除き、改正理由の説明を付して必ず議員が提案するものとする。
(議員報酬)
第22条 議員報酬は、別に条例で定める。
2 議員報酬の改正に当たっては、行財政改革の視点だけではなく、町政の現状と課題、将来の予測と展望を十分に考慮するとともに、議員活動の評価等に関して町民の意見を聴取するため、参考人制度及び公聴会制度を十分に活用するものとする。
3 議員報酬の条例改正案は、法律第74条第1項の規定による町民の直接請求があった場合を除き、改正理由の説明を付して必ず議員が提案するものとする。


 ご覧いただいたように、犬山市議会基本条例や栗山町議会基本条例では、議員定数や議員報酬を改正する場合には、「市民の意見を反映して決定します」「参考人制度、公聴会制度等を活用することが出来る」「参考人制度及び公聴会制度を十分に活用するものとする」と規定しています。
 小牧市議会においては、昨年、「27年9月10月の市議改選から議員定数を28名から3名減じて25名とする」という定数改正案が、牧政会と小牧市民連合の賛成で可決いたしましたが、改正にあたって、市民の意見を聴いたり、参考人制度、公聴会制度を活用することはありませんでした。
 根拠のない空しい議論を繰り返した後に、「話し合ってもまとまらない」として、数の理論で決めたのです

 ちょっと難しいかも知れませんが、栗山町議会基本条例の該当条文を提示したのは、二元代表制を理解しない訳の分からない市長に振り回されないための条文であるからです。
 議員定数・議員報酬ともに、「法律第74条第1項の規定による町民の直接請求があった場合を除き」と書かれています。
 これは、例えば有権者の3分の1以上の署名を集め「議員定数を〇名減らすよう(〇名増やすよう)議員定数を定める条例を改正して欲しい」という直接請求があった場合には、首長は意見書をつけて議員定数を定める条例改正案を議会に提出します。
 そうした場合を除き、「議員定数や議員報酬の改正案は、改正理由の説明を付して必ず議員が提案するものとする」としたものです。
 
 議会改革委員会においては、私の議員定数・議員報酬に関する条文に関しては、次期(10月以降)に持ち越し検討することのなりましたが、これらの条文を途中で加えることは現実的には難しいと判断しています。
 「まあ、小牧市議会(小牧市議)の現状からするとやむを得ない・・・」とあきらめることが肝心ですね。
 ということで、私は十分意見を言ってきましたので、パブリックコメントは提出いたしません。