この記事は2011年08月07日に「こまき無答塾」に書かれた記事「「法律的側面」と「道義的側面」」を Bing検索のキャッシュ から復元→アーカイブ化したものです(アーカイブ方針



過日、「相互応援自粛条例?」というタイトルのブログを書きました。主意は、二元代表制度下において、互いに競争関係にある首長と議員が、それぞれの選挙の個人演説会で互いに応援演説することが全国の地方公共団体で行われているが、小牧市においては、適正な市政運営のために、これを自粛した方が良いのではないかというものです。

 このことに関して、「市民の声」を通して小牧市選挙管理委員会事務局に、「法律的側面」と「道義的側面」の2点から見て、問題があるのかどうか、8月3日問い合わせをいたしました。
4日に選挙管理委員会事務局より、分かり易い回答をいただきましたので、主要部分を原文のまま以下に記載いたします。
(回答)
 まず地方公務員法による制限でありますが、第36条(政治的行為の制限)により投票の勧誘の禁止等の制限を課しておりますが、これは特別職以外の公務員(一般職)に対したもので、第3条3項において特別職の公務員と規定される首長と議員に適用されるものではありません。
 次に公職選挙法において、第136条(特定公務員の選挙運動の禁止)により、裁判官、検察官等の選挙運動を禁止しておりますが、これも首長、議員にかかわるものではありません。また、136条の2(公職等の地位利用による選挙運動の禁止)において、特別職、一般職を問わず、選挙運動の方法に制限が掛けられておりますが、ここでは、その公務員の持つ職務権限及びその影響力を利用することにより、選挙人の投票行動に働きかける行為が禁止されるものであり、それ以外の選挙運動を禁止するものではありません。
 以上の点から、首長と議員が行う選挙運動について、「地位利用の選挙運動」を除いては特に制限は無く、自己以外の者に対する選挙運動についてもその相手方の制限は無いものと考えます。
 なお、「道義的側面」については選挙管理委員会事務局としてまた個人的見解としても回答は差し控えさせていただきます。

※「道義的側面」については、問い合わせの時に、回答しにくい場合には、「法律的側面のみの回答で結構です」と記述いたしました。

 以上のように、現在の国の解釈では、街頭演説や個人演説会で肩書きを名乗って応援演説をすることは、「地位利用による選挙運動」に該当しないということになっているようです
 従って、「相互応援禁止条例の制定」は無理でしょうが、「道義的側面」を捉え、「相互応援自粛条例の制定」(少なくとも「首長と議員間の自粛申し合わせ」)の方は必要ではないでしょうか。競争関係にある両者が切磋琢磨し、適正な市政運営を推進するために・・・。
 なお、選挙管理委員会事務局には、迅速に「市民の声」に回答いただき感謝いたします。