この記事は2014年03月31日に「こまき無答塾」に書かれた記事「消費税あれこれ」を Internet Archive から復元→アーカイブ化したものです(アーカイブ方針



明日4月1日から消費税率が5%から8%に引き上げられますね。皆さんは消費増税前の買いだめをしましたか?
 私は、高額品も日用品も一切増税を意識した消費行動をしていませんが、車のガソリンが残量が10リットルほどですので、今日中にガソリンスタンドへ行って満タンにしよう・・・、めんどくさいな・・・、と迷っているぐらいです。
 メディアがトイレットペーパーやティッシュまで大量に買い込んでいる様子をニュース等で連日報道していますが、私は「日本のメディアのレベルが低いなあ・・・」と感じています。

 私は、長年の経験から「モノが売れなくなれば、小売企業は安売りをする(せざるを得ない)」と思っていますので、増税前に慌てて買いだめしない方が安くなる商品がかなり出てくると判断しています。
 ということで(?)、本日のブログは「消費税あれこれ」です。

★日本の消費税の推移
1989年(平成元年)4月1日:消費税3%
1997年(平成9年)4月1日:消費税5%地方消費税1%
2004年(平成16年)4月1日:総額表示義務付け
2014年(平成26年)4月1日:消費税8%地方消費税1.7%
2015年(平成27年)10月1日:(予定)消費税10%(地方消費税2.2%

★1円玉を集めろ!
 1989年に消費税が初めて導入された当時、私は小売企業の本部で仕事をしていたと記憶していますが、経理部門より全社員に、「1円玉を集めて欲しい」との要請が出されました。

★増税前の売り上げ増加
 1997年に消費税が3%から5%に引き上げられる当時、私は上記の小売企業の役員として、営業部門の責任者でした。
 消費税アップ前の2月・3月には売上が急増しましたし、導入後の落ち込みもあまりなく、利益も大幅に上がり、社員に特別賞与(決算賞与)が支給できました。
 その業績せいか、その後、私は常務になりました。まさに、「消費税様様」ということでした。

★「消費税分5%還元セール」の是非
 詳しい時期は忘れましたが、イトーヨーカ堂が全国規模で「消費税分5%還元セール」と銘打ったセールを行いました。
 この件について、当時、私は会社で、「消費税分5%還元セールという名称の是非」について議論しました。
 私は「5%値引きセールという名称であればかまわないが、消費税分5%還元セールという名称は、国民・消費者に消費税は余分なものだというイメージを与えるので、この名称を使うべきでない・・・」と主張しました。
 
 その後、しばらくして、イトーヨーカ堂は、「消費税分5%還元セール」という名称を使うのをやめました
 今後も、大手小売企業が、「例えば、増税分3%還元セール」という名称を使わないよう願っています。

★総額表示を義務付けたのに
 2004年4月1日から、国は「総額表示」を義務付けました。この当時、私は別の小売企業に勤務していましたが、国の説明は「欧米諸国ではほとんどの国が総額表示(内税表示)して入り、外税表示をしているのは日本だけだ」というような説明を各地でしていました。

 総額表示義務付けに際し、小売企業ではレジのソフトの入れ替え棚札の入れ替えなど金銭的にも時間的にも膨大なコストを要しました
 しかし、今回、国は消費税アップに伴い「従来の総額表示でなくても良い」とのことです。2004年の義務付けは何だったのか・・・、腹立たしく思います。

 それにしても、頭の良い官僚は、なんだかんだと理由付けして、自分のやることを正当化するのですね。
(参考)総務庁財務省の当時のHPでの説明 
 「総額表示」の実施により、消費者は、いくら支払えばその商品やサービスが購入できるか、値札や広告を見ただけで簡単に分かるようになりますし、価格の比較も容易になりますので、それまでの価格表示によって生じていた煩わしさが解消され、消費税に対する国民の理解を深めていただくことにもつながると考え、実施されたものです。

★地方消費税交付金の増額
 私は、消費税が5%から8%になると、地方消費税交付金が1%から1.7%になることに、半年ほど前まで知りませんでした。
 この措置により、小牧市の地方消費税交付金が当初予算ベースで平成25年度が17億5,600万円(歳入の3.5%)であったのが、平成26年度当初予算では22億3,600万円(同4.1)に増額となっています
 地方交付税交付金は、平成27年10月より2.2%になり、さらに歳入が増える見込みです。

 いずれにしても、消費税増税分が目的通り使われ、国の借金も段々と減る方向になればいいのですが、国は「4月以降は、消費が落ち込む」として、5兆円規模の補正予算を可決しています。 この国のやっていることは、全く理解に苦しみます・・・