この記事は2014年08月08日に「こまき無答塾」に書かれた記事「消費税が8%になって4ケ月余りが経過しましたが・・・」を Bing検索のキャッシュ から復元→アーカイブ化したものです(アーカイブ方針



4月1日から消費税が5%から8%に引き上げられました。個人的には、引上げ分の税収が適切に使われるのであれば異論はありませんし、来年10月から10%になってもやむを得ないと思っています。
 
 私は、料理を作ることが好きですので、週に何回も食品スーパーに行きますし、身の回り品の買い物も好きですのでいろいろな店によく行きます
 ということで、消費税が8%になってからの4ケ月余りに感じたことを報告いたします。

★日本における消費税の動き
 先ず、消費税に係わる動きを整理しました。
1989年(平成元年)4月1日:消費税3%
1997年(平成9年)4月1日:消費税5%(地方消費税1%)
※2004年(平成16年)4月1日:総額表示義務付け
2014年(平成26年)4月1日:消費税8%(地方消費税1.7%)
2015年(平成27年)10月1日:(予定)消費税10%(地方消費税2.2%)

★総額表示の義務付け
 国は2004年4月1日から、小売業者に対して「総額表示」を義務付けました。総務庁財務省のホームページには総額表示について次のように説明しました。(ホームページ引用) 
「総額表示」の実施により、消費者は、いくら支払えばその商品やサービスが購入できるか、値札や広告を見ただけで簡単に分かるようになりますし、価格の比較も容易になりますので、それまでの価格表示によって生じていた煩わしさが解消され、消費税に対する国民の理解を深めていただくことにもつながると考え、実施されたものです。(以上、引用終わり)

 総額表示の導入にあたり、国は各地で開催した小売企業を集めた説明会で、「欧米諸国では殆どの国が総額表示(内税表示)しており、外税表示をしているのは日本だけだ・・・」というような説明をして、総額表示の必要性を訴求しました。
 当時、私は小売企業に勤務していましたが、総額表示義務付けに対応するために、小売企業はレジのソフトの入れ替え、棚札の入れ替えなど、金銭的にも時間的にも膨大なコストを要しました
 
★消費税率の引上げに伴う総額表示義務の特例
 2004年の総額表示義務付けに際し、「・・・それまでの価格表示によって生じていた煩わしさが解消され、消費税に対する国民の理解を深めていただくことにもつながると考え、実施されたものです」と言っておきながら、国は、今回の消費税アップに際し、「平成25年10月1日から平成29年3月31日までの間は、表示する価格が税込価格であると誤認されないための措置を講じていれば総額表示義務を守らなくても良い」との特例措置を講じたのです。
 その観点は「消費税の円滑適正な転嫁の確保や事業者による値札の張替え等の事務負担に配慮した」ということです。

 現時点では、2015年10月1日から消費税を8%から10%に引き上げる予定がありますので、総額表示を義務付けることを続けることは、小売業者に対する負担が大きいことは理解できます。
 しかし、総額表示の義務付けに際しては、「消費者に配慮して総額表示を義務付けた」と言い、消費税率アップに際しては、「小売業者に配慮して特例措置を設ける」という国のやり方をすんなりと納得することはできません。
 
 少なくとも特例措置を設けるにあたり、国は「2004年の総額表示義務付けを行い、国民の皆さまには消費税に対する理解を深めていただいておりましたが、今回の消費税8%への引き上げ、さらに今後予定されています10%への引き上げにあたり、平成25年10月1日から平成29年3月31日までの間は総額表示義務について特例措置を設けます。この間国民の皆さまにはご迷惑をおかけしますが、何卒ご理解いただきますようお願い申し上げます」と言うべきだと思います。
 まあ、頭のいい役人達は、「2004年の義務付けの際に近い将来の消費税アップを見込んでいませんでした」、「国民の皆さま、ごめんなさい」なんて絶対に言わないですよね・・・。
 
★8%に引き上げられてから
 ご存知の通り、食品スーパー等殆どの小売業者は特例措置により「本体価格+税」という表示に変えました。
 消費者にとっては、電卓でも持ち歩かなければ、総額がいくらになるのか分からない状態で、2004年の総額表示義務付け以前の状態より後退してしまっているのです。
 そして、10年の間、総額表示に慣れている消費者にとっては、大きな字で書いてある本体価格を税込み価格と一瞬勘違いしてしまうこともあるのです。

 8%の消費税を含む価格が分からないだけでなく、次のような便乗値上げ事例も発生しています。
 桃花台の食品スーパー2店舗(大型店ではありません)では、消費税が8%に上がる前から「100円のお菓子コーナー」がありました。
 100円ということですので、本体価格95円(または96円)に5%分の消費税を加算して総額が100円であったということです。
 しかし、2店舗とも4月1日以降は、同じ商品で「100円のお菓子コーナー」展開しています。今度の100円は本体価格表示ですので、レジでの支払いは100円+消費税8円で合計108円を支払うことになります。
 本来は「95円(または96円)のお菓子コーナー」とし、レジで103円(または104円)とすべきですが・・・。これって誤魔化しですよね

 消費税は8%に上がったことに対し、製造業や小売業は商品の値上げをしたり、内容量の減量をしたりして消費税アップを消費者に転嫁しています。
 しかし、消費者は消費税アップ分を誰にも転嫁することはできません。消費者は消費税アップに伴う増収分が、目的通りに使われるかどうか監視するしかないのです。



<※アーカイブ者:以下プライベートな話題だったため、こちらには掲載しませんでした。>