この記事は2014年09月03日に「こまき無答塾」に書かれた記事「小牧市図書館に係わる新聞報道は正確を期すべきだ!」を検索サービスのキャッシュから復元→アーカイブ化したものです(アーカイブ方針



小牧市が8月26日に「記者発表資料」として公表した「新図書館建設に係わる連携民間企業事業者の決定」に基づいて、8月30日に中日新聞朝刊近郊版に次の記事が掲載されました。
 
 記事は、「ツタヤ図書館『小牧の顔に』」、「17年度開館 カフェ案も」の見出しで、写真入りの4段におよぶ近郊版掲載記事としては極めて大きな記事でありました。
8月30日中日新聞近郊版(16頁)
中日新聞の小牧ツタヤ図書館誤報

 記者の署名入りで、昨年6月頃に静岡県勤務から小牧通信局長に赴任した加藤隆士記者の書いた記事ですが、私は、「残念ながら、今回小牧市が公表した内容についても、連携民間企業事業者(CCC・TRC)についても、武雄市図書館についても、指定管理者制度についても、小牧市図書館整備に係わる経緯についても、記者として適正な認識、正確な事実に基づくものではない!」と判断いたしました。

 加藤記者の前任者の平井記者は、取材もろくにしないで、小牧市の言われるままに記事を垂れ流したり、個人情報漏えいに基づく情報提供であることを認識しておりながら、近郊版のみならず社会面にも取上げたことにより、私は「最悪・最低の記者だ」と私は判断し、長年続けていた中日新聞の定期購読も止めました。
 それに比し、加藤記者は本会議や委員会をよく傍聴していますし、市から言われるままの記事を垂れ流すこともありません。
 1年ほど前に、加藤記者の方から声をかけられ、名刺交換をいたしまし、過去の中日新聞に関することを少し話しましたが、中日新聞はこの地方では定期購読されている方が圧倒的に多い新聞ですので、小牧市図書館について、間違った認識を持たないようにするために、そして、今後加藤記者が書く記事が適正な認識、正確な事実に基づく内容であることを期待して、今回あえてブログで取上げさせていただきました。あしからず・・・。

★適正な認識、正確な事実に基づかない記事は5点
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 赤い枠で囲った部分が、私が「適正な認識、正確な事実に基づかない記事だ」と判断した部分です
 それぞれについて、その根拠を順次記載いたします。

★ツタヤ図書館?(赤枠Aの部分)
 記事の見出しは、「ツタヤ図書館 小牧の顔に」としていますが、ネット上では1部のメディアが「ツタヤ図書館」と表現したりしていますが、現時点で市民向けの記事のトップの大きな見出しに「ツタヤ図書館」と書くことは、市民に誤解を招き、市民をミスリードする内容だと私は判断いたします。

 なお、「小牧の顔に」の部分に関しては、記事の中で、山下史守朗市長は「新たな市の顔。これまで来てもらえなかった市民が来てもらえるような図書館になると話し、駅前の商店街などへの波及効果を期待した」に基づくものでありますので、加藤記者の責任範疇でありませんので、「小牧の顔」云々に関しましては山下市長の問題として本日の文末部分に記述いたします。

★CCCが運営することになった?(赤枠Bの部分)
赤枠Bの内容(6行の記事)
 レンタル大手「TSUTAYA(ツタヤ)」を展開するカルチャコ・ンビニエンス・クラブ(CCC、東京)が運営することになった新しい小牧市立図書館。名鉄小牧駅前の市有地に移転新築される。新たな魅力を設けて利用客の大幅増を目指すとともに、駅前のにぎわい創出も期待されている。(以上、引用終わり)

 先ず、カルチャコ・ンビニエンス・クラブ(CCC)という企業について、「レンタル大手「TSUTAYA(ツタヤ)を展開する」と紹介していますが、この点について私は「不十分な内容だ」と判断しています。
 
 ウイキペディアでは、カルチャコ・ンビニエンス・クラブ(CCC)について次のように説明しています。
(ウイキペディアから一部引用)
 カルチュア・コンビニエンス・クラブ株式会社(Culture Convenience Club Company, Limited)は、約4500万人の会員データベースを基盤として、「TSUTAYA」の直営およびフランチャイズ事業、その他のネットエンタテインメント事業、並びに「Tポイント」の運営並びにコンサルティング事業を行う日本の会社である。
 1983年3月24日創業。現在は、TSUTAYA事業とネット(EC)事業、Tポイント事業の3つの事業を中核事業とする、「CCCグループ(カルチュア・コンビニエンス・クラブ株式会社グループ)」を統括する事業持株会社である。
TSUTAYA事業 1としては、1. 音楽・映像ソフトレンタル 2. 音楽・映像ソフト販売 3. 書籍・雑誌販売 4. 中古本買取・販売。
(以上、引用終わり)

 このような企業内容であるカルチャコ・ンビニエンス・クラブについて「レンタル大手「TSUTAYA(ツタヤ)を展開する」と紹介することについて、私は「新聞記事として不十分な内容だ」と判断したんであります。

 その点以上に間違っているは「カルチャコ・ンビニエンス・クラブ(CCC、東京)が運営することになった新しい小牧市立図書館」としている点です。
 今回、小牧市が記者発表資料として公表したのは「新図書館建設に係わる連携民間企業事業者の決定」であり、今後CCCとTRCの共同事業体とアドバオザリー契約を締結し設計等のアドバイスをしてもらうという内容です
 それにもかかわらず、記事ではCCC1社が新図書館の指定管理者に決定したように書いていますが、これは今回の記者発表資料を正しく認識しない、市民をミスリードする内容であると確信いたしました。
 このまま台本通りに、CCC・TRCがこの先指定管理者に選定されることは間違いないと思いますが、指定管理者の選定には議会の議決が必要です。そのことを認識しないで、「現時点でCCCが指定管理者に選定されたような記事を書くことは大きな間違いである」と、私は確信いたしました

★新図書館の整備の出発点は「老朽化や駐車場不足」ではない!(赤枠のCの部分)
 現在の市立図書館は1978年(昭和53年)に開館。老朽化や駐車場不足を理由に、市は新図書館の整備を検討してきた。一時、駅前の再開発ビル「ラピオ」に移設する方向でまとまっていたが、2011年に就任した山下市長が白紙に戻した。結局、現在は市営駅西駐車場になっている市有地約3,800平方メートルに新築することを決めた。(以上、引用終わり)

 記事では、「老朽化や駐車場不足を理由に、市は新図書館の整備を検討してきた」としていますが、これは「新小牧市立図書館建設基本構想(平成19年度)」や、「新小牧市立図書館建設基本計画(平成20年度)」を正しく認識しないことに基づくものであると判断いたします。

 基本構想は、これからの小牧市において、新しい図書館の担うべき役割とともにどのような機能やサービスを実現していくことが望ましいかをまとめたものであり、基本計画は、平成20年度は同委員会において、その基本構想を基礎として、平成21年3月に「新小牧市立図書館建設基本計画書」として完成したものであります。
 このように、新図書館整備の出発点は「建物の老朽化や駐車場不足ではありません」「今後の新図書館はどうあるべきかを最大の視点」として多くの市民が係わって検討したものであります。
 加藤記者は、基本構想・基本計画が策定された頃は小牧通信局に勤務しておりませんでしたが、「記事として(しかも大きな記事として取り上げる場合には、過去の資料を十分に調査すべきである」と確信いたします。

 なお、後段の「山下市長が白紙に戻した・・・」云々に関しては、「市民を欺く行為だ!」として度々当ブログで取上げてまいりました。

★現在、図書流通センター(TRC)は指定管理者ではない!(赤枠のDの部分)
 市は今回、図書館の機能や運営方法などを提案してもらって審査する公募型プロポーザル方式で、指定管理者にもなる業者を選定。CCCと、現在の指定管理者の図書流通センター(TRC、東京)つくる共同事業体に決めた。(以上、引用終わり)

 前述した通り、今回小牧市が8月26日に記者発表資料として公表したないようは、CCCとTRCの共同事業体を新図書館の指定管理者に選定したということではありません
 それにもかかわらず、「指定管理者にもなる業者を選定」と書くこと、さらに「現在の指定管理者の図書流通センター(TRC)」と書くことは、大きな誤認に基づく内容であります。
 小牧市の図書館(小牧市立図書館)および3地区(篠岡・味岡・北里)の図書室の窓口業務等を平成18年度から図書流通センター(TRC)に業務委託しておりますが、図書館・図書室の運営に対してTRCを指定管理者に選定した訳ではありません。
※小牧市図書館は小牧地区の地域館と、4つの地域間の中央館としての役割を有しています。
 
 そのために、基本構想・基本計画において「運営は小牧市直営」としていたものを、4月21日に開催した図書館協議会において、事務局が吉村会長とつるんで、基本構想・基本計画に係わった委員が納得しない状態で、強引に「指定管理者による運営」に変更し、さらに6月議会でこれに係わる条例改正案を提出・議決したのであります
 このあたりの関しては、加藤記者は小牧通信歔欷長として十分に把握されているものと思っていましたが・・・、残念な状況であります。

★小牧市提供の写真を掲載することの是非
 今回の記事では、30%ほどを占めるスペースに小牧市提供の「佐賀県武雄市の市立図書館」の写真を掲載しています。
 新聞記事に指定提供の写真を掲載することは、よくあることでありますが、武雄市図書館を武雄市の市立図書館と記載することは許せたとしても、武雄市図書館の内部の写真に小牧市から提供された写真を堂々と使うことは、「新聞記者としてのプライドがないのか!」と私は思ってしまいます。

 写真は、昨年から本年にかけて、市長、市著公室長、市政戦略課長、小牧市議(16名)が視察した時に撮った写真なのか、あるいはCCCから小牧市が提供された写真なのかは分かりませんが。
 記者として、今回の記事に武雄市図書館の写真を掲載するのでああれば、「独自のルートで入手した写真を掲載すべきである」と私は思いました。

 以上5点が私が「適正な認識、正確な事実に基づかない記事だ!」と判断した部分です。これはあくまでも「こまき無答塾ブログ」の管理者としての私の視点に基づく判断であります。
 読者の皆様の中で「管理者の視点の方が間違っている」、「新聞記事は正しい」と判断される方がいらっしゃいましたら、どうぞコメントをいただきたいと思います。出来れば、本名で責任あるコメントをいただけるとありがたいのねすが・・・。私の視点が間違っておれば訂正したいと思っておりますので。

★小牧市の顔について
 山下市長は、新図書館について「新たな市の顔」、「駅前の商店街などへの波及効果を期待」と述べていますが、私は小牧市民として、この発言を全く理解することはできません
 山下市長が、「新図書館整備は、市長選挙に向けた大きな顔だ!」と述べるのであれば良く理解することが出来ますが。

 以前から、小牧駅周辺の整備に際して、「小牧駅前は小牧の顔だ」、「A街区は小牧の顔だ」という発言が市職員、審議会委員、小牧市胃から度々ありました。
 私は個人的に、「小牧市の顔」という表現をすることに賛同できない人間です。それは、「小牧市民が、小牧に住んで良かったと心から思うのは、小牧の顔云々ではない」と判断しているからであります。

 強いて「小牧の顔」としてアピールするのであれば、次の2点であります。
 1点目は、法人住民税で小牧市の財政に大きく貢献している企業(工場)に関して、「小牧市民が各企業の内容を共有し、小牧市は企業を通じて、全国、世界、さらに宇宙と繋がっているのだ・・・」と認識させることであります。
 2点目は、現時点では殆ど活用されておりませんが、造形大学・文教大学・メナード美術館・中部フルハーモニーと連携し、「小牧市民が、それぞれに文化、様々な芸術を楽しむ小牧市にすること」であると確信いたします。
 新図書館整備にどの程度の税金を投入するのか明らかにされておりませんが、公共事業の入札不調が続発する中において、膨大な金額になることは明らかであります。
 そのようなお金をかけて整備しても、過半数は近隣市町からの来館者であることが武雄市図書館の事例から容易の予測出来ます。
 「そうなれば、小牧駅周辺の車が渋滞し、駐車場が満車状態になるだけだ」と、さらに「小牧駅周辺の店舗の活性化には全くつながらない」と私は判断しています。
 
 このようなことは、小牧市民のためになるのではなく、山下市長自信が目立ちたいためのことであり、性懲りもなく、全国の他市町で成功している政策をつまみ食いしている山下市長の首長としての資質低さを表しています。
 成功事例には、その地域の文化・環境・歴史が大きく関与していますし、何よりのその政策を推進してきた首長の資質が大きく関係していることを、全く理解しることがなく・・・。困ったもんですね。