この記事は2014年09月09日に「こまき無答塾」に書かれた記事「ラピオビルを管理運営する小牧都市開発㈱の25年度決算」を検索サービスのキャッシュから復元→アーカイブ化したものです(アーカイブ方針



 6月17日に開催された小牧市議会(6月議会)において、澤田勝已議員(牧政会)が第53号議案(小牧市立図書館の設置及び管理に関する条例の一部を改正する条例の制定について)に関する質疑のなかで、小牧市立図書館の建設経緯を当局に質問いたしました。
 澤田議員の質疑に対して、大野成尚教育部長は次のように答弁いたしました。
(大野教育部長の答弁)
 平成20年度に策定された「新小牧市立図書館建設基本計画書」は新図書館の建設位置はA街区として策定されたものであります。したがいまして、この時点で一たんは、新図書館はA街区に建設する方向性が定まっていたものであります。
 しかしながら、その後、ラピオにおいて、平成22年6月に複数テナントの退店問題が発生し、その対策として、新図書館をラピオに導入してはどうかとの議論があり、平成23年1月20日に開催された小牧駅周辺活性化特別委員会においては、ラピオの空床に入れるべき施設は図書館であると決定されました。
 そして、その後、同年2月の市長選挙により市長は山下市長となり、新図書館の建設、またラピオの再構築については、ゼロベースからの見直しとなりました。
 結果としては、ラピオについては、一義的に商業ビルであるとしまして、管理運営会社である小牧都市開発株式会社の代表取締役に小牧商工会議所専務理事の速水氏に就任していただき、空床部分にファニチャードームを誘致され、平成23年12月1日のファニチャードームのオープン以降、現在に至っております。小牧都市開発株式会社にあっては、平成22年6月のテナント大量退店以後、一たんは資金ショート寸前まで経営が悪化しておりましたが、速水社長のもとさまざまな経営改革を行う中で、現在は新たな市費を投入することなく黒字化しているものであります。
 こうしたことから、ラピオの再構築が果たされている現状を考えますと、新図書館をA街区に建設すること自体は、紆余曲折を経ましたが、これまでの経過を十分に踏まえた方針であると考えているところであります。
(以上、引用終わり)

 大野教育部長の下記の答弁内容は、「今後とも間違いない」と言えるのでしょうか・・・?私は、そのようには思いません。
(1)平成23年2月の市長選挙で初当選した山下市長が、就任直後に「ラピオの空床に入れるべき施設は図書館であると決定」を根拠なく、さらに市民の意見を一切聞くことなく白紙にしてしまったこと。

(2)山下市長が、ラピオビルの管理運営会社である小牧都市開発株式会社の代表取締役に小牧商工会議所専務理事の速水氏に就任を要請したこと。

※従来は、48%の株を所有する小牧市の副市長が代表取締役を務めていた。

(3)「小売企業の業態と、その適合出店立地の関係」に関する知識の全くない素人の山下市長が、「ラピオビルは、第一義的に商業ビルである」とし、平成23年12月、ラピオビル3階~4階の空床に、小牧駅前立地に不適合のファニチャードームを導入したこと。

(4)小牧都市開発㈱について、新たな市費を投入することなく黒字化していると評価していること。


 上記4点について、私は「過去の失政」を突いているのではありません。事実をしっかり見極めることにより、今後5年・10年後の視点で、小牧市における税金の無駄遣いを未然に防止すること願って入りのであります。
 比較的財政の豊かな小牧市には、市長にも議会にも、税金の使い方に関する緊張感はありませんが、現在、山下市長が進めようとしている「CCC・TRCの共同体を指定管理者とする小牧市立図書館をA街区に建設」をするようなことになれば、指定管理者による運営云々を抜きにしても、「将来には、無駄遣いをした!」と評価されると確信するからであります。

 大野教育部長が答弁したように、ラピオビルを管理運営する小牧都市開発㈱は「速水社長のもとさまざまな経営改革を行う中で、現在は新たな市費を投入することなく黒字化しているものであります・・・」という状況でしょうか。
 詳細を把握するため、私は「小牧都市開発㈱の平成25年度決算関連資料」を開示請求いたしました。

開示いただいた資料
ラピオ関連の資料 - 1
 開示いただいたのは上記の「決算書」「附属明細書」「事業報告書(小牧都市開発から小牧市議会への報告書)」の3通17ページです。

過去5期の損益計算書
 以前に開示請求して入手した資料と合わせて、過去期の損益計算数値の推移をまとめてみました。 
ラピオ関連資料 - 3
 事業報告書では、「利益面においては、業務委託料の見直しなどの経費削減により営業利益は59,324千円(前期比11.9%増)、経常利益は雑収入としてLED照明器具設備工事の国庫補助金36,495千円を計上したことにより94,453千円(同82.4%増)となりました。
 特別損失としてLED照明器具設備工事の国庫補助金36,495千円を固定資産圧縮損として計上した結果、税引前当期利益は57,957千円(同12.9%増)となりました
」と説明しています。

 しかし、これらの数値は、本来ラピオビルを管理運営する小牧都市開発㈱の実態を表すものではありません。
 小牧都市開発㈱の売上は、どのような部門で構成されているのでしょうか・・・。

部門別売上高
 小牧都市開発㈱の25年度の部門別売上高を24期を対比した表を次に掲載いたします。(事業報告書資料より)
ラピオ関連資料 - 2

業務受託部門
 ご覧いただきますように、売上の43%を占める業務受託部門は、小牧市からの委託による「小牧市まなび創造館・えほん図書館」などの施設管理業務、「ラピオ地下駐車場・小牧駅西駐車場」などの駐車場管理業務によるもので、本来のラピオビルの不動産賃貸部門・不動産管理部門の売上ではありません。
 簡単に言えば、小牧市が小牧都市開発の経営を支えるために、本来小牧市が直接業務委託すべき業務を、小牧都市開発㈱に受託させ、同社を支援している内容です

不動産賃貸部門
 不動産賃貸部門は、「平和堂・安井家具(ファニチャードーム)・専門店」の賃貸料が主なものですが、専門店の売上高の減少等により、売上高は24期比0.2%減となっています。

 ラピオビル3階~4階にファニチャードームが入店したのは平成23年12月ですので、24年度~25年度はフル稼働している期間です。
 それにもかかわらず売上高が減少しているということは、消費税率が上がった26年度にはさらに売上が落ち込むことが容易に想像できるのではないでしょうか・・・。

 そいした状況を直視せず、議会において「現在は新たな市費を投入することなく黒字化しているものであります・・・」と答弁することは、極めて軽率なことと私は判断いたします。

借入金残高
 小牧都市開発㈱の経営破たんを逃れるため、小牧市は同社に対する貸付金の返済を猶予していますが、25年度期末における借入金残高は次の通りです。
小牧市:600,4440,000円
東春信用金庫:123,193,000円

★今後の最大の問題は
 ラピオビルを管理運営する小牧都市開発㈱を小牧市が今後も支え続けることが出来るのでしょうか・・・。私はその可能性は低いと判断しています。
 そもその、ラピオビルは平成7年にイトーヨーカ堂が、その1階~4階を利用して「総合スーパー(GMS)」という業態を出店したものであります。
 しかし、全国的に「地方都市の駅前立地は、総合スーパー立地としては適合しない」ということになり、売り上げ不振で退店したにもかかわらず、再び1階~3階を使って、平和堂の運営する「総合スーパー」を導入し、さらに売上減に伴い平和堂を1階~2階に縮小し、立地に全く適合しないファニチャードームを「第一義的に商業ビルだ」との間違った判断で入店させたのです。

 このような状態が長続きするはずは絶対にありません。しかもラピオビルのすぐ前には数年後に、食品スーパー(SM業態)のマックスバリュが出店いたします。
 小牧駅前立地は、食品スーパー(SM)やドラッグストア(DS)の適合立地ですが、マックスバリュが出店すれば、平和堂の1階食品売り場と競合し、平和堂が負ければ、ラピオビルが空っぽのビルになる可能性が高いのです。

 そうした可能性があることを何も考えないで、多額の税金を使い、しかも今まで小牧市・小牧市民が蓄積してきた図書館に関する想い・知識を放棄し、ただ単に話題として取り上げられることを目指して、山下市長が進めようとしている幼稚な図書館整備について、怒りを通り越して「情けないことだ・・・」と思います。