この記事は2015年02月22日に「こまき無答塾」に書かれた記事「議会基本条例素案に対する意見(その2)」を Internet Archive から復元→アーカイブ化したものです(アーカイブ方針



(昨日の続き)

★第4章市長等と議会の関係 第9条
素案
(市長等との関係の基本原則)
第9条 議会は、二元代表制のもと、議会関係における市長等との緊張関係を保持し、事務事業が適切、公平及び効率的に施行されるよう監視します。

意見
(わざわざ)第9条を定める意義を全く理解できません。

★第4章市長等と議会の関係 第10条
素案
(議会への政策等の説明)
第10条 議会は、市政における重要な計画、政策及び課題について、市長等に対して必要な情報を明らかにするように求めることが出来ます。

意見
「市政における重要な計画、政策及び課題について」ではなく、「市長等が提案する計画、政策及び事業について」の方が、また、「必要な情報を明らかにするように求めることが出来ます」ではなく、「必要な情報を明らかにするように求めます」とした方が良いと思います。

★第4章市長等と議会の関係 第11条
素案
(議決事件の追加)
第11条 議会は、市民の視点に立った透明性の高い市政の運営に資するため、地方自治法(昭和22年法第67号)第96条第2項の規定による議決すべき事件は、別に条例で定めます。

意見
「議会は、市政に関する重要な計画、事業に関する基本的な計画等について、地方自治法(昭和22年法第67号)第96条第2項の規定による議会の議決すべき事件として別に定めます」とした方が分かりやすいと思います。
また、「市民の視点に立った透明性の高い市政の運営に資するため」という文言は必要ないと判断いたします。

★第4章市長等と議会の関係 第12条
素案
(市長等の議員への反問)
第12条 市長等は、本会議や委員会における議員の質問および質疑に対し、議長又は委員長の許可を得て、質問および質疑の趣旨を確認することが出来ます。

意見
 「質問および質疑の趣旨を確認することが出来ます」より、「質問および質疑に対して反問することが出来ます」とした方がいいいと思います。

★第5章議員の政治倫理
素案
第5章議員の政治倫理
意見
 先ず、第5章は「議員の政治倫理」ではなく、「議員の身分と政治倫理」とした方が良いと思います。
 そのうえで、第13条に議員定数を、14条に議員報酬を追加すべきです。何故ならば、この4年間、市長マニフェストに振り回されて(市長マニフェストに積極的に従ってといった方が適切かも知れません)、議員定数や議員報酬に関する無意味な議論、根拠のない議論に多くの時間を費やしてきました。
 その反省を踏まえて、議員定数及び議員報酬に関する条文をしっかり定める必要があります。
 参考にすべきは栗山町議会基本条例の第16条、第17条と判断いたします。


(参考)栗山町議会基本条例16条・17条
(議員定数)
第16条 議員定数は、別に条例で定める。
2 議員定数の改定に当たっては、行財政改革の視点だけではなく、町政の現状と課題、将来の予測と展望を十分に考慮するとともに、議員活動の評価等に関して町民の意見を聴取するため、参考人制度及び公聴会制度を十分に活用するものとする。
3 議員定数の条例改正案は、法律第74条第1項の規定による町民の直接請求があった場合を除き、改正理由の説明を付して必ず議員が提案するものとする。
(議員報酬)第17条についても同様です。


★第5章議員の政治倫理 第13条
素案
(議員の政治倫理)
第13条 議員は、市民の負託により、市民の代表としての責任を有することを自覚し、公正、誠実及び清廉を基本として、政治倫理の向上と確立に努めなければなりません。
2 議員の政治倫理に関しては、別に条例で定めます。

意見
 「公正、誠実及び清廉を基本として・・・」と、美しい単語を列記するのではなく、「自己の地位に基づく影響力を不正に行使することによって、市民の疑惑を招くことのないよう行動しなければならない」、「常に良心に従い誠実かつ公正にその職務を行います」、「高い倫理観を持ち、品位の保持に努めなければなりません」等とした方が良いと思います。

★第6章会派及び政務活動費
素案
第6章会派及び政務活動費
意見
 第6章は、会派及び政務調査費ではなく、今後の重要な課題である「自由討議の促進」という章にすべきと判断いたします。

(参考)犬山市議会基本条例第12条
議会は、議員による討議の場であることを認識し、議長及び委員長は、議員間の討議を尊重し、公平な運営に努めます。
2 議会は、議案等を審議して結論を出すにあたっては、議員間の十分な討議を尽くして合意形成に努め、その結果について市民への説明責任を果たします。
3 議員は、市政に関する重要な政策及び課題に対して、政策立案等を推進するために、全員協議会を開き、全議員で意見交換及び討議を行います。


★第6章会派及び政務活動費 第14条
素案
(会派)
第14条 議員は、議会活動を行うため、会派を結成することができます。
2 会派は、基本的に理念、政策が一致する議員で構成し、議会活動を行います。
3 会派は、政策の立案、決定、提言等に関し、会派内で調整を行い、合意形成に努めます。

意見
 第2項、第3項は、まとめて四日市市議会基本条例第8条第2項の「会派は、議員の活動を支援するとともに、政策立案及び政策提言のために調査研究を行い、必要に応じて会派間の調整に努めるものとする」を参考にされた方が良いと思います。

★第6章会派及び政務活動費 第15条
素案
(政務活動費)
第15条 会派(会派に属さない議員の職にある者を含む。以下「会派」という。)、は小牧市議会政務活動費の交付に関する条例(平成25年小牧市条例第2号)の規定に基づく政務活動費を有効に活用し、市政に関する調査研究、その他の活動を積極的に行います。
2 会派は、政務活動費の適正な施行に努め、その使途については、市民に対して説明責任を負います。
3 会派は、成句活動費を活用した調査研究、その他の活動の結果について、議長に報告するとともに、議会活動の場で生かしていきます。
4 会派は、政務活動費の透明性を図るため、全ての支出の証拠を明確に公表します。

意見
 第1項は、シンプルに「会派又は会派に属さない議員は、政務活動費を有効に活用し、・・・」とした方が良いと思います。

★第7章議会事務局 第16条
素案
(議会事務局)
第16条 議会は、議会活動を円滑かつ効率的に行うため、議会事務局の調査機能と法務機能の充実強化及び組織体制の整備を図ります。
意見
 第16条は素案の通りで良いと思います。

★第8章災害への対応 第17条
素案
(災害への対応)
第17条 議会は、災害対策本部と情報を共有し、市民生活の安定維持に努めます。
2 議員は、災害対策や人命救助等の知識および技能の取得に努めます。

意見
 第17条は素案の通りで良いと思います。       (以上)

 なお、小牧市議会基本条例については、9月議会に上程され制定される予定ですが、その前の条例案に対するパブリックコメントが実施される予定です。

(一言)
 この4年間、山下市長の独善・暴走を許したのは、小牧市議会が本来の重要な役割である「首長の監視」を一部の議員を除いて出来なかったことによるものと私は判断しています。
 そういう意味で、小牧市議会の責任は非常に大きいということが出来ます。
 議会基本条例の制定を待たずに、この3月議会から、小牧市議全員が是々非々の立場で山下市長の監視を行うよう期待しています。勿論、やらせ質問など引き受けることのないように・・・。