この記事は2015年03月09日に「こまき無答塾」に書かれた記事「議案第21号「こども夢・チャレンジNO.1都市宣言の制定について」の経緯と問題点」を Internet Archive から復元→アーカイブ化したものです(アーカイブ方針



2月24日に開会した平成27年小牧市議会第1回定例会(3月議会)には、条例案21件、一般議案4件、補正予算案12件、当初予算案13件、人事案1件、諮問1件の合計52件議案が提出されています。
 これらの議案は、3月11日(水)から始まる常任委員会及び予算決算分科会で審議されます。
 本日のブログは、一般議案の一つで、11日に開催される総務委員会で審議される議案第21号「こども夢・チャレンジNO.1都市宣言の制定について」を取上げ、その経緯と問題点を記述いたします。

★経緯
昭和38年:安全都市宣言が行われる

平成17年:環境都市宣言が行われる

平成26年3月:第6次小牧市総合計画の基本計画の中間点の見直しに際し、新基本計画の市政戦略編に都市ビジョン1として「こども夢・チャレンジNO.1都市」を掲げる。

平成26年12月:平成26年第4回定例会(12月議会)に「小牧市都市宣言の議決に関する条例の制定について(第93号議案)」を提出し可決される。

平成27年1月~2月:「こども夢・チャレンジNO.1都市宣言(案)」について、1月5日~2月3日を期間とするパブリックコメントを実施する。

平成27年2月:2月24日に開会した平成27年第1回定例会に「こども夢・チャレンジNO.1都市宣言の制定について(第21号議案)」を提出。

★地方自治法96条の第1項と第2項
 地方自治法96条第1項では、「普通地方公共団体の議会は、次に掲げる事件を議決しなければならない」として、15項目を挙げています。
1.条例を設け又は改廃すること。
2.予算を定めること。
3.決算を認定すること。
4.~15.(省略)

※「次に掲げる事件を・・・」は、「次に掲げる案件を・・・」という意味です。 

 さらに、地方自治法96条第2項では、「前項(第1項)に定めるものを除くほか、普通地方公共団体は、条例で普通地方公共団体に関する事件につき議会の議決すべきものを定めることができる」と定めています。
 上記の通り、96条第1項では、必ず議会の議決を経なければならない15項目を定め、96条第2項では、「それぞれの自治体の判断で、議会の議決すべき事件(案件)を定めてもいいですよ」としています。

★問題点1
 小牧市では、都市宣言について従来は「議会の議決すべき事件(案件)」と定めていませんでした
 昭和38年の安全都市宣言の時も、平成17年の環境都市宣言の時も、執行機関(行政)の方で決めて実施し、議会の議決を経ることはありませんでした。

 しかし、昨年12月議会に、執行機関の長である市長の方から「小牧市都市宣言の議決に関する条例の制定について(第93号議案)」が提出されました。
 その内容は、都市宣言の制定等をする際は、地方自治法第96条第2項の規定に基づく議会の議決すべき事件として定めようとするもの(第1条)、 市長は、都市宣言の制定、変更又は廃止をするときは、議会の議決を経なければならないとするもの(第2条)です。

 本来、96条第2項は、執行機関の長(市長)の方から提出される議案ではなく、議決機関(議会)から提出される議案なのですが、何故、昨年12月議会に山下市長から議案第93号が提出されたのでしょうか。
 そもそも、「こども夢・チャレンジNO.1都市」とは、どのような手続で策定されたのでしょうか・・・。

★問題点2
 山下市長は、第6次小牧市総合計画(期間:平成21年~30年)の中間点における基本計画の中間点の見直しにあたり、本来は「後期基本計画」という名称にすべきところを、「新基本計画」という名称にするだけではなく、新基本計画を「市長戦略編」と「分野別計画編」に分け、「市長戦略編の方が分野別計画件より優位だ!」としたのです。
 こうした山下市長の考えに対して、総合計画審議会で厳しい非難を受けましたが、最終的には名称を「市長戦略編から市政戦略編に変更する」だけで基本的な部分は原案通りになってしまいました。
 
 総合計画の基本計画は分野別計画で構成されていますが、山下市長は分野別計画の上に市長戦略編(市政戦略編)を設ける愚行をしたのです。
 中間点の見直しに際し、市長の政策を総合計画に反映させたいのであれば、分野別計画に反映させれば済むことなのですが・・・。
 このあたりが、私が「こども市長だ!」と称している所以です。

 市政戦略編には、3つの都市ヴィジョンが掲げられましたが、その第1の都市ヴィジョンが「こども夢・チャレンジNO.1都市」だったのです。
 さて、市政戦略編はどのような手続きを経て策定されたのでしょうか・・・。仮に、分野別計画編の上に市政戦略編を設けることを了としたとしても、市政戦略編は、市長・副市長・各部長で議論して策定すべきですが、そのような形跡は全くありません。
 ということは、山下市長とコンサルタント企業の密談によって策定されたのです
 市幹部職員を含む全職員にも、市民にも、市政戦略編の策定過程を明らかにしなかったのです。 
 私が、「山下市長は、既に独善に陥っている!」、「その責任の一端は、市長を監視出来ていない議会にある!」と言っているのは、こうした根拠によるものです。

★問題点3
 何故、昨年12月議会に突然、都市宣言を議会の議決事件(議決案件)とする条例案(第93号)を提出したのでしょうか・・・。
 5月に予定されている市制60周年祈念式典で、こども夢・チャレンジNO.1都市宣言をしたければ、すればいいのですが、93号を提出した理由は簡単に分かります。
 「小牧市の山下市長は、こんな素晴らしいことをしているのですよ」と、市内外にPRしたいのです
 良識ある市民からみれば、「逆に、こんなことをするから山下市長の評価を落としているのだよ!」と思われているのですが・・・。
 このあたりが私が、「山下市長は、自分を目立たせることに気を配っている、パフォーマンス体質だ!」と称しているのです。

★問題点4
 こども夢・チャレンジNO.1都市宣言をPRしたい思惑は、パブリックコメントを実施したことでも伺えます。
 何と、次の「こども夢・チャレンジNO.1都市宣言(案)」をホームページに公開しパブリックコメントを、1月5日~2月3日の期間で実施したのです
こども夢・チャレンジNO.1都市宣言(案)
img358.jpg
 
 こども夢・チャレンジNO.1都市という都市ヴィジョン策定の経緯を市民に全く明らかにせず、都市宣言(案)についてだけパブリックコメント案件にする行為について、私は「笑ってしまう、愚行ですよ!」と申し上げます。

 パブリックコメント案件にした愚行を上回る愚行がもう1つあります。何と、2月3日で締め切っておきながら、いまだにその結果が発表されていないのです。
 パブリックコメントを提出した市民がいたかどうか、いたとしたら、どのような意見を提出したのか全く明らかにされていのです。
 そして、パブリックコメント結果を発表しない状況で、2月24日に議案21号を議会に提出したのです。

 このことに関しては、怒りを込めて、「市民をなめるな!ふざけるな!」、「小牧市は、自らパブリックコメント制度を形骸化するのか!」と、申し上げておきます。
議会に提出した「こども夢・チャレンジNO.1都市宣言」の内容と議案提出理由
img359.jpg

 上記のパブリックコメント時の案の内容と、議案の内容には若干の相違がありますが、パブリックコメントにより修正されたのではなく、自治基本条例と同様に、「最終的に点検したらこの方がいいなあ」ということで修正されたものと思います。お粗末ですね・・・。

★問題点5
 平成27年度予算書には、こども夢・チャレンジNO.1都市宣言推進事業として、3,160万円余が計上されています。
 このうち、市制60周年記念式典運営委託料750万円、マスコットキャラクター作成委託料479万円余、式典参加者謝礼15万円余は予算書から把握できますが、残りの1,900万円余の予算の中身は(私の能力では)分かりません。

 11日の総務委員会を傍聴する予定でいますので、総務委員会の議員の皆さん、「市民が理解できるよう(議員自身が理解できるようにかな・・・)、しっかり質疑をしてください!」と申し上げておきます。
 しかし、新たに、479万円余をかけて「ゆるキャラ」作成を業務委託したり、750万円かけて式典運営委託をしたり、小牧市は金持ちですね。いや、小牧市は税金を無駄遣いしていますね。


※. アーカイブ者:以下プライベートな内容だったため、こちらには掲載しませんでした。