この記事は2015年06月17日に「こまき無答塾」に書かれた記事「小牧市議会の一般質問より(その5)」を Internet Archive から復元→アーカイブ化したものです(アーカイブ方針



(昨日の続き)

 6月11日小沢国大議員(小牧市民連合)の2項目目の質問は次の通りです。
質問項目2.「 巡回バスについて」
(1)積み残しの現状と対策について
(2)運行ダイヤについて


★小沢議員の質問
 小沢議員質問項目2.巡回バスについての質問要旨は次の通りです。

 本年4月1日より、南部・中部・西部・北里地区では、巡回バスの新たなコースの増設に加え、約2時間に1本程度だった巡回バスも1時間に1本程度になり利便性が向上したと考えています。
 新たな運行を開始してまだ2ケ月余りですが、「良かった」という声よりも、「困ってしまった」という声を多く聞き、早期対応が必要と感じましたので、これを踏まえてお尋ねいたします。

(1)積み残しの現状と対策について
 先日、病院を予約し病院へ行こうとした人の話です。今回の改正から導入したワンボックスカータイプの巡回バスを利用して、病院へ向かう予定をしていましたが、定員が満員だったため乗車を断られ、急遽タクシーを使い病院へ向かったそうです。
 また、議会報告会と市民の声を聴く会に参加された方からも、「置き去りにされて困った」と、違う地区でもそういった声を聞きました。
 今申し上げた方は2名ですが、こういった話は早く浸透するようで、近隣市の知人からも「巡回バスの積み残しで困った」、「お金を払ってもいいから何か対策をして欲しい」という声をいただきました。
 そこでお尋ねをいたします。乗車満員が発生している現状と今後の対策について、どのように考えているか教えてください。

(2)運行ダイヤについて
 運行ダイヤ変更に伴い、こちらも市民の方からいただいた声を申し上げた上で質問に入りたいと思います。
 こちらも、議会報告会と市民の声を聴く会で聞いた意見であります。「遅い時間のバスが無くなってしまった。特に19時以降便が無くなってしまって困った」という意見もあり、また、良く巡回バスを利用される方からは、「巡回バスに乗っていて、最近、ヒヤッとする運転があるが大丈夫か」という意見もお聞きしました。
 そこでお尋ねします。(ア)1時間に1本程度となったが、遅い時間帯の便を無くした理由について、(イ)運行ダイヤに間に合うように走っているせいか、乗っていて危険を感じたという声を聞くが、運行ダイヤに無理があるのではないか。運行状況と運行ダイヤの現状についてお尋ねいたします。
(以上)

★渡辺都市建設部長の答弁
 小沢議員の質問に対して、渡辺都市建設部長(都市整備担当)は次のように答弁されました。(答弁要旨)

(1)積み残しの現状と対策について
 こまき巡回バスは本年4月1日より、南部・中部・西部・北里地区において、バスの運行本数を1時間に1本程度とし、8人乗りによるワンボックスバスによるきめ細かい運行ルートを確立しながら、運行コースを4コースから9コースに拡充し、これまで以上に利用しやすく再編したものであり、日々多くの利用者の方々にご利用していただいているところであります。
 
 しかし、議員ご指摘の通り車両の定員を超えたため、乗車できなかった、いわゆる積み残しが、8人乗りのワンボックスバスで運行している4コースのうち3コースで発生してしている状況であります。
 その発生状況でありますが、4月1日から5月31日までの61日間において、51コースで1,159便中2便、52コースで1,342便中2便であります。
 そして、53コースでは、1,098便中25便で積み残しが発生している状況であります。このため、このコースでは、積み残しが発生しているバス停留所に35人乗りの小型ノンステップバスで運行しているバス停留所の案内を掲示して利用者に周知しているところであります。
 現時点で積み残しが完全に解消している訳ではありませんが、その対応策として、積み残しが発生している停留所近辺の地域住民に対して、35人乗りの小型ノンステップバスで運行している最寄りのバス停留所への案内を回覧などで案内したいと考えております。
 
 積み残しが発生していることにつきまして、利用者の方々に大変ご不便をおかけしていることにつきましては重々認識しておりますが、積み残しを解消するために多額の経費を投じることにつきましては大きな課題であると考えているところであります。
 したがって、先に申し上げました通り、35人乗りの小型ノンステップバス利用のご協力をお願いし、今後の状況を注視してまいりたいと思います。

(2)運行ダイヤについて
 (ア)については、本年4月1日に再編いたしました運行ダイヤについては、「昼間の空き時間を短くし、運行ダイヤを1時間に1本程度にして欲しい」との声が市民要望や公共交通地域懇談会などで寄せられました。
 一方、再編以前における遅い時間帯の便は、利用者が極めて少ない状況でありました。こうしたことから、今回の再編においては遅い時間帯の便を設けず、1時間に1本程度の運行間隔を確保して充実を図ったものであります。

 (イ)については、本年4月1日に再編した運行ダイヤの設定は、実際にコースを走行した上で運行事業者と調整した上で決定したものであり、5月末日時点で運行事業者から、慢性的に遅延が発生しているとの報告は受けておりません。
 今後は、本年9月に運行ダイヤの遅延状況や利用実態の調査を実施する予定であり、その検証結果を踏まえ必要に応じて、平成28年4月をめどに運行ダイヤを変更することも視野に入れてまいりたいと考えています。
(以上)
※巡回バスに関する質問に、都市建設部長が答弁することに違和感をお持ちの方もいらっしゃると思いますが、昨年4月1日付けの組織変更で、公共交通を担当していた環境交通部が廃部となり、公共交通に関しては都市建設部都市政策課が担当するようになったためであります。

★小沢議員の再質問
 (1)について、53コースが25便積み残しが発生しているということで、他のコースに比べて多いように感じました。故に、私の住む地域で多く声をいただいたのだと思います。
 当然対応策として、有効な手段を考えると、積み残しが発生するから、この時間帯だけ増便して欲しいとか、ルートを増やして欲しいとか、このことに関しては皆様からお預かりしている税金を投入していかなければならないということで、どこかで線引きをしなければいけないなあと私も思っています。
 公共交通に関して、今、莫大な税金が投入されているところで危惧しております。
 私としては、今確立している地域協議会の繋がりや助け合いでカバーできないかなあと思っているところであります。

 (2)について、現時点で多く聞くのは、「運転手のモラルに欠けているのでは」という声でであります。
 まあ、多くは申し述べませんけど、あまり評判が良くない訳でして、これは運転手を含めて言動等に大いに影響すると感じますので、実際に乗客が危険を感じた走行がいくつかあったとお聞きしていますが市はどのように対応しているか答弁を求めます。
(以上)

★小沢議員の再質問に対する渡辺都市建設部長の答弁
 こまき巡回バスに限らず、公共交通機関は安全の確保を最優先にすべきものと考えており、利用者の方々はもとより、市民の方々に危険を感じさせてしまうような運行はあってはならないことであると考えています。
 このため、こまき巡回バスにおいて、こうした運行が疑われる場合には、運行事業者に対し、徹底した事実調査と厳正な指導を行う所存であります。
 また、こまき巡回バスには全車両にドライブレコーダーが搭載されておりますので、適切な運行管理を目的とする他、危険な運行についても運転手への抑止力も発揮されているものと考えています。
(以上)

★小沢議員の再々質問
 ドライブレコーダーが搭載されているとの答弁でありましたが、お客様とのやり取りや運行状況の詳細まで、細かい確認が出来るのでしょうか。(以上)
※こまき巡回バスにドライブレコーダーが搭載されていることは、今年の2月26日の更新で、ホームページに次のように掲載されておりますが、小沢議員はそれを把握されておられないようでした。
(ホームページの内容)
 こまき巡回バスでは、事故防止対策や乗務員教育等のため、走行中の車内外の状況を撮影、録画するドライブレコーダーを全車両に設置しています。
(注)録画した映像は、法令により定められている場合を除き、第三者に提供することはなく、設置目的以外に利用することはありません
。(以上)

★小沢議員の再々質問に対する渡辺都市建設部長の答弁
 こまき巡回バスに搭載されているドライブレコーダーは、車外前方の映像と車内の映像及び音声を、車両速度・加速度・位置情報などの走行データとともに車内に設置している記録装置に記録できるものであります。
 記録期間は3日であるため、この期間であれば確認することが可能です
。(以上)

★小沢議員の再々々質問(意見)
 かなりいいドライブレコーダーが搭載されているなあと思いました。車内のやり取りで、言った言わんの世界で、噂がいろいろと広がって、あることないことが広っていくわけでして、話しにどんどん付加が付いて良からぬ噂がガーット広がって、「巡回バスは使いにくい」と一言で終わってしまうという状況を私は悲しく思いますので、「ドライブレコーダーが付いているので、しっかりとした運転をしていただけるよ」ということを私の口からも周知していきたいと思います。
 巡回バスについていろいろ意見をいただいた際にも、「ドライブレコーダーが付いているので、そういうことしないと思うよけど、どうなのかな」ということも併せて私の口からも周知していきたいなあと思います。
(以上)

★小沢議員の質問と渡辺部長の答弁を聞いた私の感想
 小沢国大議員は、小牧市議の中で1番若い29歳の1期目の議員です。所属政党は民主党、所属会派は小牧市民連合です。
 小沢議員の質問をケーブルテレビのライブ中継で視聴して、「数々の問題点がある」と私は判断いたしました。
 そして、「1期目であろうが、当選回数を重ねたベテラン議員であろうが、議員報酬は同じであるから、一人前の議員としての言動が期待されている」、「ベテラン議員に追いつくために、日々勉強をすべきである」との視点で、あえて小沢議員の質問の問題点を記述いたします
 「小沢議員の将来のために・・・」でありますが、小沢議員は、「また批判された・・・」と受けとめられるかも知れませんが・・・。

問題点1 客観的データに基づく質問を!
 小沢議員に限らず、小牧市議会においては、度々「市民からこういう意見がある」、「市民がこう言っている」として、それを質問の根拠とする場合があります。
 これらのケースの質問をよく聞くと、「何だ、支持者の中で声の大きい人の意見を引用しているだけではないか!」「自分の思うことと同じ考えの市民の意見を引用しているだけではないか!」と判断する場合がよくあります。

 今回の積み残しに関しても、小沢議員が質問で挙げたのは、病院へ向かおうとした人、議会報告会と市民の意見を聴く会に参加した人、近隣市の知人の計3名です。
 この3名の方の声をもとに、種々の視点で見つめるべき巡回バス(費用対効果の視点、改正によるメリット・デメリットの視点など)の課題の中から、8人乗りのワンボックスバス(トヨエース)の積み残し問題を取上げたことについて、私は、「もっと多くの市民の声を聞いて質問をすべきではないか!」と思いました。
 
 小沢議員は質問の中で、「新たな運行を開始してまだ2ケ月余りですが、良かったという声よりも、困ってしまったという声を多く聞き、早期対応が必要と感じましたので、これを踏まえてお尋ねいたします」と言っていますが、一体、何人から意見を聞いたのでしょうか・・・。
 4月1日に改正した地区の多くの市民に意見を聞けば、「便利になった」という意見が圧倒的に多いのではないかと、私は推測しています。

 いずれにしろ、議員が議会で、「市民からこういう意見がある」、「市民がこう言っている」という場合には、それなりの人数(客観的になるほどと思えるデータ数)に基づいて質問に取上げるべきだと判断いたします。
 渡辺都市建設部長の分かりやすい適切な答弁を聞いて、積み残しの状況が良く分かりました。そして、私自身は「積み残しは、その程度か・・・」と思いました。

問題点2 議会報告会と市民の意見を聴く会の意見を、個人質問で持ち出すのは間違っている!
 小沢議員は、「議会報告会と市民の声を聴く会に参加された方からも、置き去りにされて困ったとの声を聞きました」と、質問で述べています。
 これは、小沢議員個人の問題ではなく、小牧市議会の問題でありますが議会報告会と市民の声を聴く会で述べた市民の意見は、議会としてその後どう処理したのかということが、昨年度も全く明らかにされておりません。
 一言でいえば「聞きっぱなしで終わっている」ということであります。本来は、個人質問で取上げるのではなく、小牧市議会として、「先般の議会報告会と市民の意見を聞く会でいただいた意見は次の通りです。このうち巡回バスの積み残しについては、担当部局に確認いたしましたところ現状は○○で、その対策は○○です」と、市民に発信すべきだと思います。

問題点3 議員は議会における議決に責任感を持つべきだ!
 小沢議員は「公共交通に関して、今、莫大な税金が投入されているところで危惧しております」と、発言しています。
 この言葉を聞いて、私は「3月議会で、巡回バスの拡充に伴い、大幅に増額した巡回バス運行委託料の予算案を認めた(議決した)のは、小沢議員を含む市議たちではないか!」「それを3ケ月もしない6月に、危惧しておりますとは何事か」と、腹立たしくなりました。
 地方議員は議決権を行使することにより、市長(執行機関)と、牽制と協力の関係を維持して市政運営をしているのだという自覚と責任感を、もっともっと持っていただきたいと思います。

問題点4 渡辺都市建設部長の答弁を正しく理解すべきだ!
 小沢議員は渡辺部長の「現時点で積み残しが完全に解消している訳ではないが、その対応策として、積み残しが発生している停留所近辺の地域住民に対して、35人乗りの小型ノンステップバスで運行している最寄りのバス停留所への案内を回覧などで案内したいと考えております」という適切な答弁を聞きたにも関わらず、再質問の中で、「私としては、今、確立している地域協議会の繋がりや助け合いでカバーできないかなあと思っているところであります」と発言されました。

 今、確立している地域協議会云々とな何事か!、この発言は渡辺部長の答弁を理解していないだけでなく、議員として地域協議会の状況も全く理解していないことによる「呆れた発言だ!」と思い、悲しくなりました。

問題点5 ドライブレコーダに過剰依存すべきではない!
 小沢議員は、巡回バスの運転手に関して、「最近、ヒヤッとする運転があるが大丈夫か」という市民の意見を述べられました。
 しかし、その他には、「運転手のモラルにかけているのでは」という声が多くある。「まあ、多くは申し述べませんけど、あまり評判が良くない訳でして・・・」と、無責任に、頭から巡回バスの運転手を批判する言葉を議会で述べています。

 仮に運転手の問題を議会で取り上げるのであれば、「まあ、多くは申し述べませんけど・・・」ではなく、具体的に多くの事例を述べるのが議員としての責務だと私は確信いたします。
 具体的事例も挙げないで、「あまり評判が良くない訳でして・・・」というのは、誤解を招く発言です。
 さらに、「ドライブレコーダーが付いているので、しっかりとした運転をしていただけるよということを私の口からも周知していきたいと思います。」とか、strong> 「ドライブレコーダーが付いているので、そういうことしないと思うけど、どうなのかなということも併せて私の口からも周知していきたいと思いますという発言を聞いて、「この議員、本当に大丈夫か!!」と思いました。

 ドライブレコーダーはあくまでも、何か問題があった場合の事実関係を確認するものであり、「こまき巡回バスの運転手さんは、安全運転で親切でだ」という状態に結びつけるものでないと私は確信いたします。
 仮に評判が良くないということが正しいとすれば、それは基本的には、巡回バスの受託業者であるあおい交通?の松浦市長の問題です。
 松浦社長は頭のいい優れた経営者でありますので、適切な対応を必ずされると私は確信しています。

 小沢議員の言うように、ドライブレコーダーに過剰依存するようなことをしておれば、名古屋市バスのように負の連鎖になり、「また、こまき巡回バスで、こんな問題が発生した」ということになりかねません。
 大切なことは、如何に巡回バスの運転手さんに、プライドをもって運転していただくかということであり、そうした環境を小牧市・市民・あおい交通?が一体となって整えていきことだと、私は判断いたします。


問題点6 最後に
 民主党の若い小牧市議(小川真由美議員2期目、谷田貝将典議員2期目、小沢国大議員1期目)は、何時も定例会で一般質問をされています。
 その点については評価していますが、最近、「一般質問を消化するための質問では・・・」と感じることがありますので、今後は、「無理をせず、なるほど、若い議員の視点に基づくいい質問だ!」と感じられる質問をして欲しいと思います。かっての、谷田貝議員の「工場のまち小牧」のような一般質問を・・・。

 最後の最後に「小沢議員、頑張ってくださいね」と。 

(次回へ続く)