この記事は2015年09月04日に「こまき無答塾」に書かれた記事「小牧市民病院における医療事故の損害賠償について」を Internet Archive から復元→アーカイブ化したものです(アーカイブ方針)
本日(9月4日)午前10から開催された小牧市議会の福祉厚生委員会および予算決算委員会福祉厚生分科会を午前中傍聴いたしました。(傍聴者1人)
傍聴の主な目的は次の通りです。
(1)小牧市民病院の医療の質・安全管理室主幹の「議案第88号:事故に係る損害賠償の額の決定について」の説明を聞くことと、説明に対する議員の質疑を聞くため。
(2)7名の委員のうち、川島公子議員・小林一議員・水谷勉議員・成田隆三議員の4名の方が今期で引退されるため、最後の福祉厚生委員会を傍聴したくなったため。
★議案第88号が議会に提出された理由とその内容
●議案提出の理由
損害賠償の額の決定には議会の議決が必要であるため、議案を議会に提出し、所管する福祉厚生委員会での審査・採決を経て、最終的には議会最終日の9月10日の本会議で議決されます。
●議案の内容
※傍聴者資料では、相手方の住所氏名は、個人情報保護の観点から、当然のこととして黒く塗りつぶされていますが、甲は夫人、乙は長男、丙は次男とのことであります。(議員の資料には住所・氏名が記載されています)
●8月18日:中日新聞近郊版
★私が本日のブログで本件を取上げた理由
勿論、興味本位で取上げたのではありません。実は平成23年度以降5年間で、小牧市民病院の医療事故におけ損害賠償額に係る議案が議会に提出され原案通り議決された事例は次の通りです。
●この5年間の損害賠償額
■23年12月議会:1,051万3,924円
■24年3月議会:230万2,271円
■26年6月議会:9,800万円
■26年12月議会:500万円
■27年9月議会:300万円(今回)
●小牧市民病院に対する私の想い
(小牧市民としての想い)
小牧市民病院のホームページには、26年4月付けで、末永裕之病院事業管理者・院長は挨拶で次のように述べられています。
(挨拶の一部引用)
「2012年に厚労省は急性期医療を提供している1505の病院(DPC対象病院と言います)を3群に分け、?群の大学病院本院(80病院)に次ぐ?群、大学病院本院に準じた機能を持つ病院(90病院)として、小牧市民病院も認定されました」(以上引用終わり)
上記の通り、小牧市民病院が全国的に高く評価され、市内外の住民から信頼されていることについて、一小牧市民として誇りに思っています。
末永院事業管理者・院長の本議会における発言を度々伺いましたが、「高い評価は、末永氏の高いリーダーシップによるものだ・・・」と私は確信するようになりました。
(個人としての想い)
私は、2008年2月に多発性骨髄腫という脊髄のがんを患っていることが分かり愛知県がんセンター中央病院で約6ケ月間、化学療法剤(抗がん剤)・造血幹細胞自家移植・放射線療法等の厳しい治療を受けました。
お陰様で、「完全寛解状態」が続いていましたが、2012年3月の検査で肝機能検査の数値が異常に高くなっていることが分かりました。
治療を受けた当時は、医学会でまだ一部の医療機関でしか認識されていませんでしたが、「大量の抗がん剤や免疫抑制剤を使用すると、体の中に潜んでいたB型肝炎ウイルスが再活性化し、場合によっては劇症肝炎を発症し死に至るケースがある(デノボ肝炎)」ということでした。
再検査の結果、私の肝機能検査の異常値はB型肝炎ウイルスによるものであることが分かり、直ぐに小牧市民病院の消化器内科を紹介していただくとともに、バラクルードというB型肝炎ウイルスを殺す薬を処方いただきました。
※私の体内にB型肝炎ウイルスが潜んでいたのは、母子感染か集団予防接種によるものか不明ですが、いずれにしても、B型肝炎を発症したことは1度もありません。
紹介状を持参して小牧市民病院を受診すると「直ぐに入院してください」ということで、22年3月に3週間ほど入院させていただきました。
入院当初、家内はナースステーションに呼ばれ主治医から「ご主人は元気そうですが、劇症肝炎を発症する可能性もあります、そうなれば・・・」との説明を受けました。
この際もお陰様で、肝機能検査数値も徐々に正常値に近づき、3週間の入院で退院し外来受診に切り替わりました。
バラクルードの投薬を約6ケ月間続けたところ、消化器内科の部長の先生から「B型肝炎ウイルスも検出されませんし、B型肝炎ウイルスの抗体ができましたので、私はバラクルードの投薬を中止しても良いと思いますが、どうされますか・・・」と言われました。
私は「先生の言われる通り、投薬中止にしていただきたいと思います」と即答いたしました。
ということで、現在まで2~3ケ月ごとに、採血(受診の1週間前)に基づく診断や、半年の1度のエコー検査をしていただいており、個人的にも小牧市民病院には大変お世話になっています。
しかし、一方で、「小牧市民病院は、まだまだ医療事故を未然に防ぐた仕組み作りが十分ではないのではないか・・・」という体験もいたしました。
22年3月に入院した際に、「私は採血の際にアルコールで消毒すると、その部位が赤くはれ上がるので、別の消毒剤を使用してください」と申し出ました。
直ちにベットの枕元に「アルコール禁忌」と表示されたボードが掲げられましたが、3週間の間に8回行われた採血の何と7回は、アルコールで消毒されそうになり、私の方から「アルコールはダメですよ」というと、看護師さんが枕元のボードを見て「ああそうでしたね」と別の消毒剤に変えられました。
アルコールで消毒しても、赤くはれるだけで命に係ることはないのですが、現役時代に流通業(小売企業)の本部で営業担当の役員として顧客満足を追求していた時に「小さなクレームを組織としてきちんと受け止め、その対応を徹底することが、大きなクレームの防止に繋がる」と、「お客様のちょっとしたお礼の言葉に組織としてきちんと受け止め、その対応を追及することによりお客様に感動を感じていただける店となる」と確信するようになりました。
そうした経験から、退院後、心苦しい面もあったのですが、「市民の声」を提出し、改善提言をいたしました。
ただちに末永院長名の回答があり「実態調査をしたところ、指摘されるような点がありましたので、改善いたします」との回答がありました。
しかし、その後しばらくすると外来の採血の際に、またアルコールで消毒され、帰宅後に部位が赤く腫れることがありました。
また、心苦しかったのですが、「採血者の前のモニターには、アルコール禁忌の表示がされているハズだからそれを確認するよう徹底してください」という「市民の声」を提出いたしました。
ところがところは、今年に入っても、数か月前の採血の時、またアルコールで消毒されましたので、私が「あっ、アルコールダメですよ」というと、モニターを見て「ああそうでしね」といって、あわててアルコールをふき取りました。直ぐ拭き取ったせいか、帰宅後に赤く腫れることはありませんでしたが・・・。
ということは、組織として小さなミスを防ぐ仕組み作りが全く構築されていないということであります。
私は、がんセンターでも、現在5週ごとに採血に基うく診断をしていただいていますが、採血室では必ずモニターを見て、「堀さんはアルコールはダメですね」と採血者の方から言われ、別の消毒剤を使用していただいています。
がんセンターで、7年間に100回ほどの採血を受けていますが、アルコールで消毒されるようなことは1度もありませんでした。
私はこのような体験をして、「小さなミスをしっかり関係者が受け止め、小さなミスを未然に防ぐ仕組みを構築しすることを積み重ねることが、大きな医療事故を未然に防ぐ仕組み作りに繋がる」と、確信するようになりました。
逆に言えば、「小さなミスを未然に防げないようであれば、絶対に大きな医療事故も繰り返す」ということであります。
★今後の対応
何故、小さなミス、大きな医療事故が繰り返されるのでしょうか、私は「医師不足、看護師不足により、組織全体として、ミス・事故を防ぐための認識や仕組み作りが、まだまだ不十分である」と判断しています。
「医師・看護師の増員」という無いものねだりをするのは現実的ではありません、どうすればいいのでしょうか。
小牧市民病院は、本来は紹介状を持った患者に対応すべき病院ですが、予約外での外来患者に対応しているのが現状です。
正確な人数は把握していませんが、予約で外来受診をする度に、「予約や紹介状なしの多くの患者に対応しているのではないか・・・」、「それが医師・看護師・検査技師などの方が忙しい原因ではないか」と、感じるケースが多々ありました。
こうした経験から、このような状態を改善しない限り、小さなミスや大きな医療事故は今後も繰り返されるのではないかと、私は危惧しています。
本日の委員会における議員の質疑に対する、答弁を聞きましたが、関係者の答弁は「現状の状態の範疇でも対応ではないか」と受け止めましたので、「これで小牧市民病院の医療事故は無くなる」とは、確信が持てませんでした。
今後の重要な課題である在宅医療の推進のためにも、小牧市民病院と開業医(診療所)の役割分担を推進することにより、職員の環境を改善することが重要であり、、それと同時に、小牧市民病院の医療の質・安全管理機能の強化、組織としての事故を未然に防ぐ仕組み作りが重要であると確信いたします。
★一言
成田議員が質疑の中で和解金について「○○〇ですね・・・」、「皆さんよく努力されましたね・・・」と発言されました。
私も和解金について、「意外と〇〇〇だった」という見方をしていましたので、成田議員の発言を伺って、「やっぱりね・・・」と思いました。
なお、議案第88号は、全員一致で委員会として原案通り議決されました。
本日(9月4日)午前10から開催された小牧市議会の福祉厚生委員会および予算決算委員会福祉厚生分科会を午前中傍聴いたしました。(傍聴者1人)
傍聴の主な目的は次の通りです。
(1)小牧市民病院の医療の質・安全管理室主幹の「議案第88号:事故に係る損害賠償の額の決定について」の説明を聞くことと、説明に対する議員の質疑を聞くため。
(2)7名の委員のうち、川島公子議員・小林一議員・水谷勉議員・成田隆三議員の4名の方が今期で引退されるため、最後の福祉厚生委員会を傍聴したくなったため。
★議案第88号が議会に提出された理由とその内容
●議案提出の理由
損害賠償の額の決定には議会の議決が必要であるため、議案を議会に提出し、所管する福祉厚生委員会での審査・採決を経て、最終的には議会最終日の9月10日の本会議で議決されます。
●議案の内容
※傍聴者資料では、相手方の住所氏名は、個人情報保護の観点から、当然のこととして黒く塗りつぶされていますが、甲は夫人、乙は長男、丙は次男とのことであります。(議員の資料には住所・氏名が記載されています)
●8月18日:中日新聞近郊版
★私が本日のブログで本件を取上げた理由
勿論、興味本位で取上げたのではありません。実は平成23年度以降5年間で、小牧市民病院の医療事故におけ損害賠償額に係る議案が議会に提出され原案通り議決された事例は次の通りです。
●この5年間の損害賠償額
■23年12月議会:1,051万3,924円
■24年3月議会:230万2,271円
■26年6月議会:9,800万円
■26年12月議会:500万円
■27年9月議会:300万円(今回)
●小牧市民病院に対する私の想い
(小牧市民としての想い)
小牧市民病院のホームページには、26年4月付けで、末永裕之病院事業管理者・院長は挨拶で次のように述べられています。
(挨拶の一部引用)
「2012年に厚労省は急性期医療を提供している1505の病院(DPC対象病院と言います)を3群に分け、?群の大学病院本院(80病院)に次ぐ?群、大学病院本院に準じた機能を持つ病院(90病院)として、小牧市民病院も認定されました」(以上引用終わり)
上記の通り、小牧市民病院が全国的に高く評価され、市内外の住民から信頼されていることについて、一小牧市民として誇りに思っています。
末永院事業管理者・院長の本議会における発言を度々伺いましたが、「高い評価は、末永氏の高いリーダーシップによるものだ・・・」と私は確信するようになりました。
(個人としての想い)
私は、2008年2月に多発性骨髄腫という脊髄のがんを患っていることが分かり愛知県がんセンター中央病院で約6ケ月間、化学療法剤(抗がん剤)・造血幹細胞自家移植・放射線療法等の厳しい治療を受けました。
お陰様で、「完全寛解状態」が続いていましたが、2012年3月の検査で肝機能検査の数値が異常に高くなっていることが分かりました。
治療を受けた当時は、医学会でまだ一部の医療機関でしか認識されていませんでしたが、「大量の抗がん剤や免疫抑制剤を使用すると、体の中に潜んでいたB型肝炎ウイルスが再活性化し、場合によっては劇症肝炎を発症し死に至るケースがある(デノボ肝炎)」ということでした。
再検査の結果、私の肝機能検査の異常値はB型肝炎ウイルスによるものであることが分かり、直ぐに小牧市民病院の消化器内科を紹介していただくとともに、バラクルードというB型肝炎ウイルスを殺す薬を処方いただきました。
※私の体内にB型肝炎ウイルスが潜んでいたのは、母子感染か集団予防接種によるものか不明ですが、いずれにしても、B型肝炎を発症したことは1度もありません。
紹介状を持参して小牧市民病院を受診すると「直ぐに入院してください」ということで、22年3月に3週間ほど入院させていただきました。
入院当初、家内はナースステーションに呼ばれ主治医から「ご主人は元気そうですが、劇症肝炎を発症する可能性もあります、そうなれば・・・」との説明を受けました。
この際もお陰様で、肝機能検査数値も徐々に正常値に近づき、3週間の入院で退院し外来受診に切り替わりました。
バラクルードの投薬を約6ケ月間続けたところ、消化器内科の部長の先生から「B型肝炎ウイルスも検出されませんし、B型肝炎ウイルスの抗体ができましたので、私はバラクルードの投薬を中止しても良いと思いますが、どうされますか・・・」と言われました。
私は「先生の言われる通り、投薬中止にしていただきたいと思います」と即答いたしました。
ということで、現在まで2~3ケ月ごとに、採血(受診の1週間前)に基づく診断や、半年の1度のエコー検査をしていただいており、個人的にも小牧市民病院には大変お世話になっています。
しかし、一方で、「小牧市民病院は、まだまだ医療事故を未然に防ぐた仕組み作りが十分ではないのではないか・・・」という体験もいたしました。
22年3月に入院した際に、「私は採血の際にアルコールで消毒すると、その部位が赤くはれ上がるので、別の消毒剤を使用してください」と申し出ました。
直ちにベットの枕元に「アルコール禁忌」と表示されたボードが掲げられましたが、3週間の間に8回行われた採血の何と7回は、アルコールで消毒されそうになり、私の方から「アルコールはダメですよ」というと、看護師さんが枕元のボードを見て「ああそうでしたね」と別の消毒剤に変えられました。
アルコールで消毒しても、赤くはれるだけで命に係ることはないのですが、現役時代に流通業(小売企業)の本部で営業担当の役員として顧客満足を追求していた時に「小さなクレームを組織としてきちんと受け止め、その対応を徹底することが、大きなクレームの防止に繋がる」と、「お客様のちょっとしたお礼の言葉に組織としてきちんと受け止め、その対応を追及することによりお客様に感動を感じていただける店となる」と確信するようになりました。
そうした経験から、退院後、心苦しい面もあったのですが、「市民の声」を提出し、改善提言をいたしました。
ただちに末永院長名の回答があり「実態調査をしたところ、指摘されるような点がありましたので、改善いたします」との回答がありました。
しかし、その後しばらくすると外来の採血の際に、またアルコールで消毒され、帰宅後に部位が赤く腫れることがありました。
また、心苦しかったのですが、「採血者の前のモニターには、アルコール禁忌の表示がされているハズだからそれを確認するよう徹底してください」という「市民の声」を提出いたしました。
ところがところは、今年に入っても、数か月前の採血の時、またアルコールで消毒されましたので、私が「あっ、アルコールダメですよ」というと、モニターを見て「ああそうでしね」といって、あわててアルコールをふき取りました。直ぐ拭き取ったせいか、帰宅後に赤く腫れることはありませんでしたが・・・。
ということは、組織として小さなミスを防ぐ仕組み作りが全く構築されていないということであります。
私は、がんセンターでも、現在5週ごとに採血に基うく診断をしていただいていますが、採血室では必ずモニターを見て、「堀さんはアルコールはダメですね」と採血者の方から言われ、別の消毒剤を使用していただいています。
がんセンターで、7年間に100回ほどの採血を受けていますが、アルコールで消毒されるようなことは1度もありませんでした。
私はこのような体験をして、「小さなミスをしっかり関係者が受け止め、小さなミスを未然に防ぐ仕組みを構築しすることを積み重ねることが、大きな医療事故を未然に防ぐ仕組み作りに繋がる」と、確信するようになりました。
逆に言えば、「小さなミスを未然に防げないようであれば、絶対に大きな医療事故も繰り返す」ということであります。
★今後の対応
何故、小さなミス、大きな医療事故が繰り返されるのでしょうか、私は「医師不足、看護師不足により、組織全体として、ミス・事故を防ぐための認識や仕組み作りが、まだまだ不十分である」と判断しています。
「医師・看護師の増員」という無いものねだりをするのは現実的ではありません、どうすればいいのでしょうか。
小牧市民病院は、本来は紹介状を持った患者に対応すべき病院ですが、予約外での外来患者に対応しているのが現状です。
正確な人数は把握していませんが、予約で外来受診をする度に、「予約や紹介状なしの多くの患者に対応しているのではないか・・・」、「それが医師・看護師・検査技師などの方が忙しい原因ではないか」と、感じるケースが多々ありました。
こうした経験から、このような状態を改善しない限り、小さなミスや大きな医療事故は今後も繰り返されるのではないかと、私は危惧しています。
本日の委員会における議員の質疑に対する、答弁を聞きましたが、関係者の答弁は「現状の状態の範疇でも対応ではないか」と受け止めましたので、「これで小牧市民病院の医療事故は無くなる」とは、確信が持てませんでした。
今後の重要な課題である在宅医療の推進のためにも、小牧市民病院と開業医(診療所)の役割分担を推進することにより、職員の環境を改善することが重要であり、、それと同時に、小牧市民病院の医療の質・安全管理機能の強化、組織としての事故を未然に防ぐ仕組み作りが重要であると確信いたします。
★一言
成田議員が質疑の中で和解金について「○○〇ですね・・・」、「皆さんよく努力されましたね・・・」と発言されました。
私も和解金について、「意外と〇〇〇だった」という見方をしていましたので、成田議員の発言を伺って、「やっぱりね・・・」と思いました。
なお、議案第88号は、全員一致で委員会として原案通り議決されました。
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