この記事は2015年09月29日に「こまき無答塾」に書かれた記事「ここに単なる図書館を造っても・・・、小牧市長の稚拙な発言」を Internet Archive から復元→アーカイブ化したものです(アーカイブ方針



昨日(9月28日)朝日新聞朝刊に、「ツタヤ図書館」を市民がどう判断するのか。計画を推進する山下史守朗市長と、疑問を投げかける市民グループ「小牧の図書館を考える会」の渡辺育代共同代表に考えを聞いた、との記事が掲載されました。
img664.jpg


山下市長の主張赤い線は、私が稚拙な発言と判断した部分に付けたものです)
img667.jpg

★山下市長の稚拙な発言(その1)
 山下市長は、「ここに(小牧駅前の市有地に)単なる図書館を造っても賑わい創出、中心市街地の活性化は難しい」と述べています。
 この発言からすれば、山下市長は平成21年3月策定された新小牧市立図書館建設基本計画で定めた図書館を「単なる図書館」と、決めつけたのであります。
 
 ところが、平成23年2月の市長選挙で掲げたマニフェストには「市民病院や図書館の建て替え、農業公園計画などの大型プロジェクトについては、市民の声をよく聞き、長期的な視点にたって、ゼロから再検討します」と掲げたにも関わらず、「就任後、新小牧市立図書館建設について、市民の声を全く聞くことなく、現在の新図書館建設計画を進めている」と批判されていることを受けて、9月18日から市内4地区で開催された新図書建設計画に関する説明会において、次の資料を使って、いかにも現在の新図書館建設計画が、平成21年3月に多くの市民が携わって策定した上記の基本計画を踏まえた建設計画であるかのように、市民をごまかしたのであります。 
説明会で使用したスライド13
img668.jpg

 市民をごまかすだけでなく、スライド13の上段の内容と、山下市長の「単なる図書館」という言葉矛盾しています。

★山下市長の稚拙な発言(その2)
 山下市長は、「むしろ駅前問題が主で、ほかに選択肢はないという判断だった」と述べていますが、山下市長の判断は、駅前にいわゆる「ツタヤ図書館」を建設すれば、小牧駅前の中心市街地が活性化するとの判断に基づくものであります。
 果して、「ツタヤ図書館」が、小牧の中心市街地の活性化に結び付くのでしょうか・・・。
 小売企業に勤務し、全国の種々の商業施設を視察し、業態と立地の関係等を勉強した私の判断は、「ツタヤ図書館で中心市街地の活性化など出来るはずがない」ということです。
 このことは、コンサルタント企業主導による地方都市の中心市街地活性化策(再生策)が、ことごとく失敗しているという事実が証明しています。

 少なくとも、専門家や市民を交えた中心市街地活性化問題検討会を設置し、「活性化とは」「活性化の手法」等について十分な議論をする必要があるのです。

★山下市長の稚拙な発言(その3)
 山下市長は、「『突然の変更』との批判があるが、その前から議会でも検討過程も説明している」と述べていますが、本当に「突然の変更」ではなかったのでしょうか。

 昨年4月21日に開催された図書館協議会における「突然の変更」から2ケ月後(6月17日)に開催された小牧市議会の6月定例会において、竹内里美議員の質問に対し、大野教育部長は、武雄市図書館への市職員の視察について次のように答弁しました。
平成25年6月26日:市長及び職員3名の計4名が視察
>平成26年1月29日:市長公室長以下3名が視察
平成26年4月15日:市政戦略課長以下2名が視察
平成26年5月16日:教育長及び教育部長の2名が視察
※何と、図書館を所管する教育長と教育部長は、「突然の変更」後に視察したのですね。

 また、平成26年2月4日~5日に、当時28名であった小牧市議会議員のうち、16名の議員が武雄市図書館を視察したのであります。
 職員の視察については「突然の変更」の後、しかも議会答弁を通じて市民に明らかしたことであり、議員の視察については、小沢議員のFBや個々の議員の政務活動費の内容から私が把握したものであります。
 
 山下市長「その前から議会で検討過程も説明している」という発言を正確に言い直せば、「市民には何も説明しなかったけど、議員に対しては武雄市図書館を視察してください」とお願いしたということであります。


 小牧の図書館を考える会の主張は、市民の意見を聞くことなく「突然の変更」をしたという点であり、山下市長の発言は、その批判に対する反論には全くなっておりません。

★山下市長の稚拙な発言(その4)
 山下市長は、「指定管理者制度は行政の様々な分野で採用されており、図書館に必要な機能は損なわない」と述べていますが、正しい発言でしょうか。
 私は、指定管理者制度を否定する立場の市民ではありません。事実、現在の小牧市立図書館についても、TRC(株式会社図書館流通センター)に、本館や3つの分館(図書室)の窓口業務を委託してます。
 しかし、あくまでも窓口業務などの作業分野の委託であり、図書館の管理運営を委託している訳ではありません。

 窓口で黒いパンツを履いたスタッフがTRCの職員であり、私は以前のブログで書いたように市民への対応は優れたものでありあります。
平成26年度にTRCに要した費用は、平成26年度は決算数値で1億1,220万円、平成27年度予算数値で1億1,205万円でありました。

 小牧市民病院においても、受付等の窓口業務を指定管理者に委託していますが、病院の管理運営については、当然のこととして小牧市が直営で行っているのです。
 今回、図書館の管理運営をCCC・TRC共同事業体による管理運営に変更したことを、小牧市民病院に例えれば、小牧市民病院の管理運営を民間業者に任せるということであります。
 命に係わるこのような変更をすれば、小牧市民は猛反対するでしょうが、図書館については命に関係か無いためなのか、山下市長とお友達の牧政会議員等の議員や、市長・議員にお任せの小牧市民は、のんきに受けとめているのです。

★山下市長の稚拙な発言(その5)
 山下市長は、「『1%反対』から『100%反対』まで、『反対に〇』ならば、どこが問題なのか分からない。計画のどこまで戻るべきか判断するにも、なぜ反対なのか調査する必要があると考えている」と述べていまが、とぼけているのでしょうか、本当に分からないと思っているのでしょうか・・・。

 最初、「1%とか100%とかは何のことか」と思いましたが、住民投票における反対票の割合を表していることが分かりました。
 山下市長が分からないのであれば、こまき無答塾管理者の私が教えて差し上げます。
 「山下市長とその仲間たちの議員が提出し否決された第100号議案の条文を借りれば、住民投票の投票率が50%を上回り、反対票が50%を上回れば、その結果を尊重し、現在の新図書館建設計画を一端白紙し、市民の意見を聞きながら、あるべき小牧の図書館を考えようという警告のイエローカードであり、反対票が90%~100%であれば、即刻、小牧市政から退場しろというレッドカードを突きつけたのでありますよ」と。

★こまき無答塾からの一言
 「こまき無答塾」を読んでいただいている方の、最近のアクセス数・訪問者数は次のとおりです。
9月26日(土)アクセス数3,524 訪問者数766
9月27日(日)アクセス数3,445 訪問者数845
9月28日(月)アクセス数4,800 訪問者数1,084

 多くの方にお読みいただいていることに感謝している一方で、小牧市長とその仲間たち議員の恥を近隣市町だけでなく、全国の読者の発信していることに、正直なところ一抹の不安があります。「これでいいのか・・・」と。
 
 小牧市長とその仲間たち議員には、住民投票を機会に猛省し、本来の市長、本来の地方議員の役割を果してほしいと願っていますが・・・。さて。

 最後に、渡辺育代さんの発言を、稚拙な山下市長の発言に比べてみてください。
渡辺共同代表の主張
img666.jpg


img647.jpg