この記事は2015年11月16日に「こまき無答塾」に書かれた記事「市長・副市長給与の自主返納で済まされることではない!」を archive.today から復元→アーカイブ化したものです(アーカイブ方針



ご存知の通り、山下史守朗小牧市長は、小牧市議会議員選挙の投票日前日の10月3日に、沖本一治副市長に命じて、候補者32名のうち19名の事務所に「当選祝い」の文書を届けさせるという、小牧市民にとって恥ずかしい行為をしました。

 山下市長は、4年前の市議選の際にも、立候補者に対して「選挙で応援してほしかったら、市長マニフェスト実現に協力するという誓約書を出せ!」と命じるような「選挙のためなら何でもしでかす人物ですので」、私は、「ああ、またやったか・・・」というのが正直な気持です。
※「当選祝い」の文書のコピーを見ましたが、山下市長名で、前段には当選祝いの言葉、後段には協力依頼の言葉が記載されていました。

★「当選祝い」の文書を届ける予定であった19名の候補者
牧政会候補(現職:9名)
長田淳候補、稲垣守候補、河内伸一候補、鈴木英治候補、小島倫明候補、
舟橋秀和候補、玉井宰候補、船橋厚候補、澤田勝已候補

山下市長に近い無会派候補(現職:3名)
熊澤一敏候補、丹羽浩候補、松田喜久男候補
※松田候補は落選しました。
小牧市民連合候補(現職:3名)
小川真由美候補、小沢国大候補、谷田貝将典候補
※上記3名の候補は、いずれも民主党の所属で、改選前は今回引退された伊藤宏行議員・川島公子議員と5名で小牧市民連合という会派を結成していましたが、改選後に谷田貝議員が離脱し(意味不明)、今回の選挙で当選した西尾貞臣議員と3名で新会派「市民クラブ」を結成しました。

公明党小牧市議団(現職:3名)
稲垣衿子候補、加藤晶子候補、橋本哲也候補

新人候補(1名)
野々川嘉則候補
※野々川候補は、新人候補の中で唯一「当選祝い」の文書届け先にリッとアップされました。その理由は不明ですが、三菱重工の労組出身者ですので、小牧市職員組合が支援したので、山下市長は野々川氏の当選を確信したと思われます。

★「当選祝い」の文書配布中止と回収
 投票日の前日の10月3日(土)午前10時前に公用車で市役所を出た沖本副市長は、、小牧市民連合の小沢立候補➡公明党小牧市議団の稲垣衿子候補➡牧政会の稲垣守立候補➡牧政会の鈴木英治候補者➡牧政会の玉井宰候補➡新人の野々川候補➡牧政会の小島倫明候補の各事務所を訪問し、「当選祝い」の書面を届けたところで、今回で引退された川島公子議員から、厳しい非難の電話があり、届けることを中止し、既に届けた書面を回収しました。
※稲垣守議員は、届けられた「当選祝い」の文書を事務所の壁に貼り出しました。

★小牧市議会における質問と回答
 本件について、10月19日に開催された臨時議会において、牧政会代表の鈴木英治議員は、次の緊急質問をいたしました。
(鈴木議員の質問要旨)
祝文の配布について
 (ア)投票日前日の10月3日に当選を祝う文書を各候補者に届けたのは誰の責任で行われたのか。
 (イ)候補者全員に届ける予定であったと聞いているが本当か。
 (ウ)祝文の配布行為には政治的意図があったのではないか。


 鈴木議員の質問に対して、先ず、伊木利彦市長公室長が次の答弁をしました。
(伊木市長公室長の答弁要旨)
 市議会選挙では、慣例として今まで市長と副市長が手分けをして当確の出た候補者の事務所を訪問し当選のお祝いを申し上げておりました。
 しかし、今回は多数の報道機関から住民投票の結果について記者会見開催の要請を受けましたので、各候補者に事前説明をするために、副市長が各候補者の事務所を訪問し、説明するとともに当選された場合には、よろしければ伝えていただくように(当選祝いの書面を読み上げるよう)お願いしたものであります。
 しかし7名まで訪問したところ、「不適切ではないか」との指摘を受けたため、直ちに中止し回収したものであります。
(以上)
※このような幼稚な言い訳が通用すると思っているのかな・・・、議会も市民も舐められていますよね。

 続いて、山下市長は次のように答弁しました。
(山下市長の答弁要旨)
 最終的にこのメッセージをお届けすることを決定したのは私の判断によるものです。
 後から考えますと、この行為につきましては、大変軽率で思慮に欠ける行為であったと反省しております。
 関係各位に大変ご迷惑をおかけし、また議員各位にもお騒がせしお詫びを申し上げます。誠に申し訳ございませんでした。
(以上)
※「後で考えれば、大変軽率で思慮に欠ける行為」・・・か、「市議会選挙は俺が差配しているのだ!」と誇示したかったけど、いつものように脇が甘く、ばれてしまいましたか」と答弁すれば可愛いのに・・・。

 鈴木議員は再質問で山下市長に、「今回の行為に対して、きちんとした対応をするべきだ」との趣旨の質問をしましたが、山下市長は、「(自分に)何らかの処分を科す予定だ」と答弁しました。
 鈴木議員について、「やらせ質問の帝王だ!」と命名した私の判断では、山下市長のこの答弁を引き出すのが鈴木議員の役割です。

★処分に関する新聞報道
 先週末、朝日新聞尾張面に次の記事が掲載されました。
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 12月1日に開会する12月議会に条例案(条例改正案)が提出されるとのことでありましが、市長・副市長の給与と条例改正案は、どのような関係があるのでしょうか。
 「小牧市特別職の給与に関する条例」の第1条~第4条は次の通りです。
(目的)
第1条 小牧市特別職の給与に関しては、この条例の定めるところによる。
(特別職)
第2条 この条例で「特別職」とは、市長及び副市長をいう。
(給与)
第3条 この条例で「給与」とは、給料、地域手当、通勤手当及び期末手当をいう。
(給料)
第4条 特別職の給料は、次のとおりとする。
(1) 市長 月額 1,075,000円
(2) 副市長 月額 883,000円

(第5条以下省略)

 条例の制定や改廃は議会の議決事項でありますので、12月議会で「小牧市特別職の給与に関する条例」を一時的に改正して、来年1月から3ケ月間、山下市長の月額給与を322,500減の752,500円に、沖本副市長の月額給与を264,900円減じて618,100円にしょうとするものですね。

 このようなことで、今回の行為が処理されてしまうのでしょうか・・・、新メンバーによる議会の厳しい追及が期待されますが、「当選祝い」文書の配布予定議員には無理かも知れませんね。
 最大の課題は、山下市長のやることに「ノー」と言えない、小牧市職員の職場環境です。 ツタヤ図書館図書館問題も同根ですね。