この記事は2016年05月11日に「こまき無答塾」に書かれた記事「第3回新小牧市立図書館建設審議会を傍聴いたしました」を Internet Archive から復元→アーカイブ化したものです(アーカイブ方針



本日午前10時から小牧市役所東庁舎で開催された第3回新小牧市立図書館建設審議会を傍聴いたしました。傍聴者は29名でした。

 本日の審議会のメインテーマ「パネルディスカッション ~図書館サービスの可能性~ 」では、パネリストとして多治見市図書館長熊谷雅子氏塩尻市立図書館司書北澤梨絵子氏小牧市立図書館長山田久氏の3氏で、司会は審議会会長内野安彦氏が務められました。


 最初に、多治見市図書館長の熊谷氏より、次の配布資料(多治見市図書館」の裏表紙に記載された「私たちの目指す図書館」5つの目標をもとに実施されている3つの特徴的な取り組みについて紹介されました。

「私たちの目指す図書館」に記載された5つの目標
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3つの特徴的な取り組みの概要
1.「Library of the Year 2015大賞」の受賞理由ともなった陶磁器の関連資料のコレクション。郷土資料の収集と提供。
2.学習者が自発的に学びあって交流しあう場として、最近特に東海地方の図書館で注目されている「英語家族」への取り組み。
3.病院や保健センターと連携した医療・健康情報コーナーの設置とサービスの提供。
(以上)

 熊谷館長は、上記の取り組みを通じて、最後に「カウンターにいるだけではわからない。時には、まちへ出かけて、いろいろな所に参加して、情報を探して、自分たちが持っている資料と組み合わせて提供することで、図書館のサービスができると思います。そのために司書が普段から積極的に地域と繋がって、まちの課題を発見すること、資料と情報だけでなく、人と人を繋ぐ、人と地域を繋ぐことを意識して動いています。他にはない多治見独自の図書館を目指して、今後も資料の収集・保存と図書館サービスを提供いたします」と述べられました。
 熊谷氏が紹介された詳細については、第4回開催日(5月25日)までにホームページにアップされる予定の会議録をご覧ください。

 私、熊谷氏の発言を傍聴席で伺い、「3つの取り組みについて感激するとともに、熊谷館長は、部下の能力育成をされる優れたリーダシップ能力持った方だ」と思いました。
 3点目の取組については知りませんでしたが、私は、がん患者でありますので、次回はぜひ医療・健康情報コーナーヘ行ってみたいと思います。 


 次に、塩尻市立図書館司書の北澤氏より、パワーポイントの資料に基づいて、塩尻市立図書館で働く現場の職員が感じる特色について紹介されました。
塩尻市立図書館の入っている「えんぱーく」という複合施設の写真
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えんぱーくの主な用途
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 複合施設であるため、最初は、それぞれの間に、自分の陣地を広く取りたいというような対立のようなものがあったが、次第に、この施設のメリットを活かすためには、「それぞれが全体を使えば・・・」「図書館が全体の図書館だ・・・」との発想に切り替わっていく時期があり、それが大きな転機となった。
 より多くの人が使える仕組みづくりができれば、より良い市民サービスに繋がる。機能の固定化をしないような機能融合ができれば、もっともっといい施設になるのではという考え方が生まれてきた。

図書館目線で見た複合施設の連携先
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 続いて、図書館内では、できるだけ家具を固定しないで(用途を固定化しないで)多様な使い方ができるようにしていると、事例をスライド写真で紹介されました。

 北澤氏は、60数枚の資料(写真)を写しながら、塩尻市立図書館における数々の取り組みを紹介されました。詳細は第4回開催日(5月25日)までにホームページにアップされる予定の会議録・配布資料をご覧ください。

 続いて、小牧市立図書館長の山田氏より、小牧の図書館の今日までの歴史(経緯)と、現在取り組んでいることなどについての紹介がありました。

 3氏のパネリストからの紹介の後、内野会長からの指名で、学識経験者の伊藤委員・浦部委員・瀬口委員・横山委員の4氏から、続いて渡邊委員・松田委員の2氏から、パネリストに対して質問・意見がありました。
 詳細は、第4回開催日(5月25日)までにホームページにアップされる予定の会議録をご覧ください。

パネリストの方が勤務する3館の比較表
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 審議会委員の皆さんにとっては、本日のパネリスト(特に熊谷館長・北澤司書)の発言は、今後の小牧市立図書館を検討する上で非常に参考になったと思います。
 「新小牧市立図書館を訪れた市民に、満足してもらい、さらに感激してもらい、さらにさらに感動してもらうためには、どのような図書館を建設すべきか」ということを視点に、夢を持って楽しく検討していただくことを期待しています。



 そうした視点で語り合えれば、おのずと、管理運営のあり方や、図書館の建設場所(移設場所)は決まるハズです。